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TIFF 2021 & おすすめカナダ映画

今年もトロント国際映画祭の季節がやってきました。去年からコロナパンデミックの影響でイマイチ盛り上がらないTIFFも、今年は劇場での一般、インダストリー上映を決行するそうです。もちろんオンタリオ州政府のパンデミック規制措置に基づいてプレ・コロナのようにはいきませんが、気持ちは去年ロックダウン以降、初めて観客を動員して開催されたニューヨーク・トライベッカ映画祭に負けていません。「ガンバッテ!」とついついTIFF宛メールに一言添えてしまう私です。

さて、私は映画評論家でもなければ、映画ライターでもないので、あくまでも「TIFF2021 自分推しカナダ映画」をご紹介します。

まず一本目は、Scarborough トロント出身シャシャ・ナカイ監督とリッチ・ウィリアムソン監督の作品です。映画の原作は同じくトロント出身の小説家キャサリン・ヘルナンデスによる同名の小説。トロント市の東の端にある町スカーボロに住む低所得家庭の様々な問題を抱えた三人の子供たちとその家族が織りなすものがたりです。コンピ・フィルムでパートナーとして映画を作り続けるナカイ監督とウィリアムソン監督は、今回のScarbouroughが長編劇映画デビュー作です。

二本目は、同じく同名小説から生まれた映画 All My Puny Sorrows トロント出身マイケル・マックゴーワン監督の作品です。小説は2014年のカナダの文学賞ジラー賞の最終選考作品であり、マニトバ州出身、トロント在住の作家ミリアム・トーズの人気小説。キリスト教アナバブテストの教派であるメノナイト・コミュニティでヴォン・リーゼン一族に生まれた姉妹の幸福や困難を描いた人生ものがたり。ヨリとエルフ姉妹の文学に対する愛が物語の主脈となっているために、今年のTIFFで最も文学的な映画の一つとして挙げられているそうです。

そして最後は、アニメーション短編作品であるDUST BATH ノバスコシア州の異端児、セス・A・スミス監督の作品です。ミュージシャン、アーティスト、映画監督と幅広く活躍するスミス監督。2017年にはTIFFの知る人ぞ知るかの有名なミッドナイト・マッドネス・プログラムにおいてホラー監督作品 The Crescentも上映されています。2分と短い作品ではありますが、アーティストとしても活躍するスミス監督のアニメーション作品はとても楽しみです。

約200本近くの映画をデジタルとシアター、そしてアウトドアシアターで楽しめる今年のトロント国際映画祭、残念なことに毎年恒例スターゲイズやTIFF名物の列並びはないですが、少しでも映画祭らしい雰囲気が楽しめるでしょうか。それは、また次回。


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