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「正立顕微鏡」と「倒立顕微鏡」の違い

生命科学系研究者のえいこです。顕微鏡のことってどれくらいご存知ですか?研究室には、位相差顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡、実体顕微鏡...などなど様々な顕微鏡があるのではないかと思います。

それぞれの顕微鏡についてきちんと説明できる方はどれくらいいらっしゃるでしょう?研究者にとっては常識的なことかもしれませんが、研究室に配属されたばかりの学生さんにとっては分からないことばかりなのではないでしょうか?

今回は、顕微鏡の大きな分類である「正立顕微鏡」と「倒立顕微鏡」の違いについて簡単にまとめておきます。

「正立顕微鏡」とは?

「正立顕微鏡(upright microscope)」の特徴は、対物レンズがステージの上側についていることです。小学校の理科室にあるような、いわゆる一般的な顕微鏡というのは正立顕微鏡です。(アイキャッチの画像になっている顕微鏡は「正立顕微鏡」です。)

生物分野の「正立顕微鏡」は「透過型」になっていて、プレパラートを観察するのに向いています。「透過型」は光を上から当てて透過光を観察するもので、光を下から当ててその反射を見るものを「落射型」と言います。透過型では光を通さないものは観察できません。

「倒立顕微鏡」とは?

細胞を扱う研究室には大抵置いてある「倒立顕微鏡(inverted microscope)」。この顕微鏡の特徴は、対物レンズがステージの下側についていること。

生物分野で「倒立顕微鏡」は主に細胞を観察する際に使われます。細胞を見るためには、シャーレの底側から観察する必要があります。シャーレはガラスに比べて厚いので、対物レンズの作動距離が長くなっています。

細胞を観察する「倒立顕微鏡」には「透過型倒立顕微鏡」が用いられます。


観察する対象によって顕微鏡も選ばなければなりません。意外と身近にある実験機器で「なぜそれを使うのか?」を知らないことって多いのかもしれませんね。(教えてくれている先輩とかも実は知らないで使っているかも?!)

それでは、また!


参考資料



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