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心の宝第一なり

台風15号の影響で私の住む南房総市も甚大な被害を受けました。
9日午前2時頃から風雨が激しくなり、電気は消え今まで体験した事のない浸水や揺れ、瓦の飛び散る音などが鳴り響いていました。

7時頃になり、ようやく雨風が穏やかになったので外に出ると、愕然としました。
今まであったものが無くなり、なぎ倒され、辺り一面に瓦や、トタンなどが飛び散っています。
何から手を付ければよいのやら、呆然と立ち尽くしていると、檀家のおじさんも外の様子も見に来たらしく、挨拶を交わし「いやー御前さん。こんなの初めてだよ。とにかく命があって良かったね」と笑顔で。
確かにそうだなと。
被害が大きく、地域は壊滅状態、皆一様に家財を失うような災害でしたが、多くの方が命を落とさずに生きていられるという事が有難い事だとつくづく思います。

日蓮上人の言葉で、
‪「蔵の宝よりも身の宝すぐれたり、身の宝より心の宝第一なり」‬崇峻天皇御書
とあります。

私達は多くの家財道具、家屋を失いました。しかし、幸いに怪我人は少なく、身体は動きます。そしてなにより復旧という緊急事態が地域の絆を強くして、一気に心の距離を縮めたと感じています。
遠慮せずに困っているお宅へ行き、物を届け、話をし、お互いやれることを補完しあう。
蔵の宝は失いましたが、身の宝は残り、そして心の宝を頂いたのだと思います。

これから数年単位の復興になると思いますが、思いがけない宝を得たと思って前に進みます。

少し長い目でご支援ご協力頂ければ幸いです。

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