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9割以上が脱炭素に取り組む~内閣府の世論調査より

調査の概要・出典はこちらからになります。

2020年11月~12月にかけて、郵送で全国3,000人に調査依頼。
1,767人から得られた回答結果を集計したものです。
その中から、脱炭素社会に関連した部分を紹介します。

「脱炭素社会」の認知度 68.4%

「知っていた」33.2%・「言葉だけは知っていた」35.1%。
この数値は、素直に高いなーと思いました。
一方で、性別・年代別で認知度に結構差があります。
男性77.5%に対して、女性は59.8%。
29才以下45.4%に対して、70才以上81.0%。
脱炭素に関する情報が紙媒体中心、ビジネスの現場中心になっているみたいなことがその背景にあるのかなあとも思いました。

脱炭素社会の実現に取り組みたい 91.9%

9割以上という数字もすごいのですが、
「積極的に取り組みたい」24.8%・「ある程度取り組みたい」67.1%
となっており、4分の1近い人が積極的な意向を示してます。
こちらの回答については、認知度と違って、性別や年代別による差はあまり大きくありません。
言葉の認知はさておき、行動に対する共感度は広くあまねく持たれていると言っていいのではないかと思いました。

脱炭素社会の実現に向け、今後新たに取り組んでみたいこと

この質問に対する回答で興味深かったのは、上位3つの項目がいずれも、
「消費」という行動だったことでした。

1位 「地球温暖化への対策に取り組む企業の商品の購入やサービスの利用」30.1%
2位 「電気自動車などのエコカーの選択やゆっくり加速・減速などのエコドライブの実践」24.1%
3位 「冷蔵庫、エアコン、照明器具などの家電製品を購入する際に、省エネルギー効果の高い製品を購入」22.2%

質問が「今後新たに」となっているので、今すでにやっていることである、「軽装や重ね着などにより、冷暖房の設定温度を適切に管理」や「こまめな消灯、家電のコンセントを抜くなどによる電気消費量の削減」が低くなるというのは当然ありますが、商品やサービスの購入を通じて、脱炭素社会の実現に貢献したいという気持ちを持っている人が多いというのは、とても心強いことだと思いました。

(脱炭素社会実現への取組みに)取り組みたくない理由

1位 「地球温暖化への対策としてどれだけ効果があるのかわからないから」48.4%
2位 「どのような基準で選択し、どのように取り組めばよいか情報が不足しているから」45.2%
3位 「 日常生活の中で常に意識して行動するのが難しいから」27.8%
4位 「 経済的なコストが掛かるから」19.0%
5位 「手間が掛かるから」18.3%

1位と2位は、主に情報不足に関する理由で、3位~5位は、行動に起こすことにコストや手間などの負担があるという理由です。
そのうえで、2位と3位の間に大きな差があるのが特徴的でした。
ということは、行動することを負担に思う気持ちよりも、もっと情報がほしいという気持ちのほうが大きく上回っているという風に読めました。

最後に

基本的には、多くの人が脱炭素社会にある程度共感しており、
単なる節約を超えて、モノやサービスの消費においても、脱炭素を心がけて行動しようと考えている。
さらに、行動によるCO2の削減効果や、どんな行動をすればよいかという情報提供が今よりも充実すれば、この流れは着実に加速されていく。
まとめるとこのような調査結果だったのではないかと思います。
とても興味深い世論調査でした。

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