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エルセとさめのぽき~IF”1st”まぼろし~僕らは何度も惹き付けられる。その物語に。

はじめに

エルセ(@Else_PJblue)と さめのぽき(@samenopoki )の新曲『まぼろし』を受け、こうしちゃいられない。衝動のままに筆を取りました。惹き付けられる魅力とは。今回の曲について、感想等を綴っていこうと思う。この感情が”幻”とならないうちに。


IF~僕らは何度も、君に恋する。~

新曲『まぼろし』公開の報を受け、心待ちに日々を過ごしていたところにまたひとつ、新たな報が届きました。

”夏の三部作”

なんと一曲だけに留まらず、MVと合わせて二曲、三曲と順次公開するというもの。驚きを隠せない中で、気になる点もまたありました。いくつも素晴らしい楽曲、MVを打ち出してきたエルセとさめのぽきですが、どうやら今までとは雰囲気が違う模様。

それは”IF”という文字。

三部作におけるこの”IF”とは一体、何なのだろう――――

新曲の公開前日に投稿された動画は、本格的な夏の訪れを感じさせるもので、青く抜けるような空に浮かび漂う雲、水を浴びた向日葵は嬉しそうに花弁を揺らす。制服に身を包んだ少女の鼻歌が耳に心地よく、夏の空に響き渡る蝉の音はどこかさわやかな風を感じさせます。さながら映画のワンシーンですよ。エルセとさめのぽき公式イラストレーターのさめ汰(@f_inari )さんがアニメーションしたい。と言って急遽制作されたというのだから驚きです。これから何が待っているんだろう。そんなドキドキとワクワクを感じましたね。


1章『 ま ぼ ろ し 』

そして、来たる2020年7月31日。
youtubeにて、エルセとさめのぽき夏の三部作となる1章『まぼろし』が公開されました。
未視聴の方は、後述の文を読んでいただく前に是非とも視聴されることをオススメします。
あなた自身の目で、新たにディレクター、サポートされた方々も含めたProject Blue(
@projectblue000 )の映像、音、歌を存分に感じていただきたい。

歌詞:さめのぽき

刹那、こぼれた
その台詞を今も追っている
あいつがよこした チューイングガムの
味が抜けた午前10時、
「何しよっか」なんて話した
そんなことを思い出したんだ
あの頃とは違う日々を今、生きている

幻が胸を締め付ける度、思う
潮騒はその言葉をさらう
あの夏、あの声。曖昧なまま

最近じゃあ街中で擬態してる
他人のような幸せに
繰り返す波のような罪悪感だ
茹るような、まとわりつく、あの記憶は
幻のようだ

愛や恋の説明も当てはまらないなんて
不可思議な感情をいつまでも抱えていた
人波の中そっと浮かんで消えた
陽炎のような面影が 心の臓で暴れているんだ

幻は 漣に切なく、消えてく
足跡を追いかけられたなら
僕は、今も

幻が胸を締め付ける度、思う
潮騒はその言葉をさらう
あの声、あの夏、曖昧でいい

刹那、こぼれた
その台詞を今も追っている

私に待ち受けていたものは……衝撃。とんでもないものを魅せ付けられました。あまりの衝撃に言葉を失い、気付けば涙が溢れて止まらず、ようやく振り絞って出てきた言葉は「すごい」や「やばい」が精々で、いわゆる語彙力なんてものは塵と化したワケです。行き場のない感情とでも言いますか、消えゆくその姿を見て「待ってくれ……」と思わず発してしまうほどの切なさに胸をグッと締め付けられました。

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”純粋な音”で奏でられた美しい表現に、映像も然り、これでもかというほど歌に聴き入るんですよ。集中して聴く分、エルセ嬢の歌声がとにかく映えるんです。今までのエルセとさめのぽきではあるものの、今までのエルセとさめのぽきではない楽曲なのではないでしょうか。

後半のスピード感がある部分も新しく、驚かされました。加えて、ストレートな想いをぶつけてくるような、感情のこもった歌声が心に響くエルセ嬢の成長にも注目です。歌の技術に関して、てんで知見のない私ですが、今回の曲では、いわゆるフェイクというものを駆使されてるんです。より一層、情緒的な表現に拍車がかかり、儚げでありつつも力強く、心揺さぶる見事な歌を披露してくれました。

三部作の始まり

予告にありましたIFの文字から察するに、まさかな……。なんて考える諸氏も少なからずいたと思うんです。手で模ったファインダー越しに映った少女を目にした瞬間、そういうことか……。やはり"もしも"なんだなと。まるで、欠けていたピースがぴったりと収まるかのように。抱いていた疑問とも言えるものが、真実味を帯びた瞬間に崩れ落ちました。

ここで少し、予告動画を振り返ってみましょう。

三部作の始まりとなるのは"まぼろし" ですが、

では、エルセとさめのぽきの始まりと言えば?

そう、ご存知の通りBLUEです。

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気になるこのワンシーン。動画内では、これからの夏に何が待っているんだろう。空を見上げると、少女はワクワクに胸を高鳴らせるような声を漏らします。

見上げた先には————青く抜けるような空。

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対して、BLUEの歌詞にあるのは……

『碧く、深い海の底で 見上げた世界は輝いた』

どちらも始まりであり、見上げているんです。どうしたって重なってしまう。重ねてしまうんです。エルセが見上げた世界と。

最後のシーンでは、見上げた空から海に視点が移動します。手で模ったファインダーはその瞬間に解かれ、海の底で見ていた世界から、地上の世界へ。あったかもしれない日常をエルセ自身が映し出しているのではないかと感じました。あるいは、少女自身が海の底であった夢のような体験を思い返しているのではないかという印象も受けました。

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少女が振り返った瞬間に、エルセへと変化。それぞれがまぼろしの如く曖昧なものであるかのように思えますね……。コーラスかハモリか、さめのぽきの(歌)声は終始曖昧なままで、終盤にはっきりとしたものになっています。

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そして、ラストのシーン。波に拐われるかのように少女が消え、残ったものは……『本』

この本に見覚えがありませんか?否、ご存知のことでしょう。

そして、物語は続いていく』の本です。

『そしもの』のMV内では、物語は続いていくの名の通り、本はしっかり開かれているんです。ですが、この『まぼろし』のラストでは、その本は閉じられている。物語が、閉じられているんです。物語そのものが幻であったかのような、それ以前に我々が見ていたものが幻だったのか。果たして、少女の物語なのか、エルセの物語なのか————まさに、幻と言えましょう。

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その他にも多くの気になる場面が点在していて、海に面した場所では大体のシーンで少女からエルセに変化しているのですが、地上の場面では少女が消えてしまい、エルセに変わらないんです。泡沫であるかのように消えてしまうシーンは、涙無しには見られません。それほどまでに素晴らしい作品だと言えます。

これまでの文章は、あくまでも私個人の考察、感想だと言うことをここに記しておきます。
ここまで読んでくださった方は、改めて聴いてみてはいかがでしょうか?違った視点が得られるやもしれません。


終わりに

新曲『まぼろし』を受けて、思いのままに綴ってみました。とんでもないものをリリースしてくれましたね。この夏、まだ二曲も控えていると言うのですから、非常に楽しみです。今後もエルセとさめのぽきの物語、動向に目が離せませんね。

『まぼろし』の発表他、今までの楽曲を改めて取り直し収録をしたSpecial EP『take2』がboothにて発売中です。なんとそれぞれの歌唱担当を入れ替えたreverse、さめのぽきのソロによるUnder Waterも収録されていますので、気になる方は是非とも。

エルセとさめのぽきのyoutubeチャンネルはこちら。

エルセとさめのぽき、並びにさめ汰さん、Project Blueの皆様に感謝を込めて。

2020.8/4 映司(@Eiji10821)

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