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#24 友達から始めよう!医療機関のグループ化

・病院の再編統合を考えられている方向け
・グループ化にはまず顔の見える関係の構築から

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日本海ヘルスケアネットに参加法人が集まる理由

医療機関のグループといえば、地域医療連携推進法人日本海ヘルスケアネット(山形県酒田市)。私の隣は、法人の代表理事 栗谷義樹先生。とある講演でコラボさせていただいた時の写真です。

日本海ヘルスケアネットには、厳密には医療機関だけではなく介護施設の他、医師会、薬剤師会、歯科医師会など10法人が参加法人としてグループに入っています。なぜ、これだけの法人が参加しているのか?

一言でいえば参加法人間にWIN-WINの関係があるからではないかと思います。代表理事の栗谷先生が理事長を務める日本海総合病院の一人勝ちではなく、参加する病院に日本海総合病院からの患者の紹介や職員の派遣があり。介護施設も長期入院患者の紹介があったり。薬剤師会であれば、医療機関と処方薬の標準化を図ることで薬の在庫を減らしたり。地域住民が安心して暮らせるためには、医療だけではダメだし、介護だけでもダメ。日本海ヘルスケアネットのように病院、診療所、薬局、介護施設とトータルで支えていくことが必要なんでしょうね。

大学中心でもうまくいかない事例も

一方で、岡山市内で岡山大学病院を中心として6病院(下記)で地域医療連携推進法人を作ろうという動きがありましたが、うまくいきませんでした。

岡山大学病院、岡山市民病院、岡山ろうさい病院、岡山赤十字病院、岡山済生会総合病院、岡山医療センター

各病院としては大学から医師の派遣を受けているので、グループに参加する意味はあるのですが、病院間の連携となるとWIN-WINの関係を見出すことが難しいのかもしれません。6病院は基本急性期の病院。いわばライバル関係。患者はもちろん職員だって競合することがあるでしょう。親会社(大学)からの提案とはいっても子会社(病院)としては、譲れないものがあると。

結局は顔の見える関係が重要

日本海総合病院は地域医療連携推進法人を設立する前から後にグループに参加する本間病院と「顔の見える関係」が構築できていたといいます。日本海総合病院の入退院支援について話し合う場に本間病院の方が参加していたと。お友達(顔の見える関係)になっていたからこそ同棲(グループ化)するのも自然の流れだったのでしょう。

病院の再編統合を国がいくら勧めても、現場同士が一緒にやろうとならなければグループ化は進みません。各病院も総論賛成各論反対ということなのかもしれません。

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