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【議事録革命!】nottaで文字起こしし、Claudeで校正してみた


文字起こしソフトはいろいろあるが・・

市販されている文字起こしソフトは多種多様。医療専門の文字起こしソフトもありますが、決して安くはありません。私が使っているソフトは「notta」。

文字起こしの精度が抜群に高いわけではありませんが、話者を区別できるのと操作が分かりやすいので利用しています。また、料金も使用頻度より異なりますが、私は月1,200円(30時間/月)のプランに加入しており、主にZoomの文字起こしで使っています。

今回はこちらのラジオの音声(11分)を文字起こししてみます。

あらかじめダウンロードしたラジオ音声をnottaでまず「ファイルを選択」によりインポートします。

11分ほどの音声だと一瞬でこのように文字起こししてくれました。

ただ、これではとても文章としては読みづらいので、生成AIにより校正してもらいます。

ChatGPTの校正だと修正に時間がかかる

以前はChatGPTにより校正作業をしてもらったのですが、ChatGPTの校正原稿では誤字脱字が多く、その後の修正に時間がかかっていました。そこで、噂のClaude(クロード)を使います。

ClaudeだとChatGPTよりも文字制限が緩く(約350ページのテキストを処理可)、自然な日本語文章を作ってくれます。

文字起こし原稿をPDF化

Claudeに指示をするためにまずnottaの文字起こし原稿をPDF化します。

ファイル形式はPDFの他、Wordやテキスト形式(txt)など選ぶことができますが、ここは無難にPDFでダウンロードします。

PDF原稿をClaudeにアップロード

ここでいよいよClaudeの登場です。Claudeのトップページから赤で囲った部分をクリックしPDFをアップロードします。

そして、下記命令文を入力します。Claudeに対する命令文(プロンプト)は、ChatGPTに対するものと基本的に変わりません。

条件をもとに添付ファイルの文字起こし文章の校正をお願いします。
話しているテーマは「生成AIが医療機関に与える影響」です。
#条件
1 ケバ取り(えー、あー、このーなどそれ自体では意味をなさない短い言葉の削除)
2 誤字脱字の修正
3 前後の文脈から変な部分を修正
4 校正後文章のみで他の記述はしない
5 適宜段落を作り、適宜改行も入れる

Claudeへの命令文(プロンプト)

画面上ではこのように表示されています。

Claudeの初稿原稿

以下がClaudeの作った生原稿です。確かに、細かな誤字脱字(特に固有名詞が苦手)がありますが、文章として読むには十分なレベルかなと思います。10分原稿だと、ChatGPTの時には人間側で修正するのに10分かかっていたのが、5分ぐらいで終了するイメージです。

皆さんおはようございます。昨⽇、ポッドキャストで⽥中康弘先⽣という公認会計⼠の先⽣がおっしゃっていたのが、講演やプレゼンがうまくなるコツとして、例えば3部のプレゼンを予定していたものを1分にまとめたり、逆に10分や30分に延⻑したりと、⾃由⾃在にプレゼンの時間を調整できるようになるのがプロだというような話がありました。それは確かにそうだなと思いました。

公演をやっていると、いろんな都合によって時間が短くなったり⻑くなったりすることがあります。特に他の⽅と⼀緒に公演するときには、前の演者の⽅が⻑めになったりしたときに、⾃分は短めにしなきゃいけなかったりすることがあると思います。

今⽇の放送では、私も練習でやってみたいと思っているんですが、せっかくなので、最近話題となっている⽣成AIに関して、⽣成AIが医療機関に与える影響と将来の⽅向性みたいなお話をしていこうかなと思います。これを10分でお話をしてみたいと思っております。本来なら⼀部でもお話できるし、30分というのはちょっと難しいかもしれませんが、とりあえず10分でお話をしていこうと思います。

最近ちょっとブームが過ぎ去ったような感じがするんですが、実はこれは第2次ブームなのではないかなと思っております。第1次ブームに関しては、ChatGPTの3.5や4が出てきたあたりになります。このChatGPTを利⽤することによって、医療、特に病院や診療所などで業務が相当改善できるんじゃないかという道が⾒えてきたわけなんですが、それが今、第2次ブームだと個⼈的には考えております。

ChatGPTではないサービスがいくつか出てきていて、特にクロード(Claude)というサービスの能⼒が相当⾼いなと思っておりまして、今までChatGPTが抱えていた問題点を解決してきているなと感じているところがあります。

ChatGPTの問題点をいくつか挙げてみますと、まず⼀つ⽬としては、ロボットっぽい回答をしてしまうという問題点がありました。いろんな⾓度で聞いてみても、優等⽣っぽい感じでロボットが回答したようで、それをそのまま使うのはちょっとできないなというところがありました。要するに⾃然でないというのがChatGPTの弱点だったんじゃないかなと思います。この点、クロードになってくるとしっかりと⼈間っぽく回答してくれるというか、そのまま援⽤することも可能なレベルにきつつあります。

なぜこのように改善できたのかというと、ChatGPTを開発していたオープンAI社の⽅が、クロードを⽴ち上げて開発したというところがありまして、ある意味ChatGPTの問題点をわかっていて、それを解決しようと新しいクロードというサービスを出したんじゃないかなと思っております。

ChatGPTの問題点の⼆つ⽬は、嘘をついてしまう、ハルシネーションと⾔われたりしますが、もっともらしく嘘をついてくるのがChatGPTの問題点でした。わからないものはわからないと⾔ってくれた⽅が、⼈間側としてはいいわけなんですが、それを嘘を⾔ってしまうというのが⽋点としてあったんじゃないかなと思います。

これがクロードでも完璧に解決できてるのかというとそうではないと思うんですが、ChatGPTよりはちゃんとわからないものはわからないと⾔ってくれたりするので、そういった意味では信頼して使えていくんじゃないかなと思います。特に医療機関の仕事として使う場合には、このハルシネーションという問題は⾮常に⼤きなところがあります。信頼して普段から使うことができるかどうか、余計な情報が⼊ってるか⼊ってないか、そういったものは⾮常に⼤事なところになってきます。

例えば診療録の要約をするときに、余計な他の患者さんの情報が⼊っていたり、全然嘘が⼊っていたりすると、業務では使うことができないわけですが、クロードだとその辺も解決してきているというところがあります。

ChatGPTの問題点として他には、セキュリティの問題があります。セキュリティに関しては、優良パン粉を活⽤して学習させないという設定をするのであれば⼀応使うことができるということではあるんですが、医療機関側としてはなかなか海外のサービスに信頼がおけないというところもあります。そして学習させないという設定だったとしても、⼀旦聞いた情報に関しては⽶国のサーバーに保存されるというところがあって、電⼦カルテのガイドラインによると、国内のサーバーに保存するということが前提になっているので、その辺を考えてもなかなかChatGPTを使うことは、特に電⼦カルテの業務を改善するという意味では使うことができないのかなと思っております。
対するクロードも同じような感じで、データの保存に関しては⽇本で保存されるということではなく、おそらく⽶国で保存されるということは変わらないんじゃないかなと思っております。

いろいろChatGPTの問題点、それに対してクロードがいかに解決してるのか、でも全てが解決できてるわけではなくて、⼀部解決できていない課題も抱えてるというのが現状ではないかなと思っております。

そんな中、SAIの問題点、唯⼀の問題点であったセキュリティに関しては解決しつつあるということで、佐賀県の⿅島市の⼩⽥病院では、オンプレミス型の電⼦カルテで⽣成AIの機能を導⼊したというのが、プレスリリースで3⽉29⽇に出ておりました。これを使うとインターネットに接続することなく⽣成AIの機能を使うことができるということになり、いよいよセキュリティの問題もなく現場でも使うことができるということになります。

例えば診療録の内容は⾮常に多岐にわたりますが、この診療録を基にして診療情報提供書、退院療養計画書、診断書、介護保険の主治医の意⾒書などをいろいろ作るというところがあります。こういったものを作るときに、今まで⼈間側で診療録を⾒ながら、もしくは記憶に頼りながら作っていたわけですが、これを⽣成AIがたたき台を作ってくれるだけでも⼤きいんではないかなと思います。

仮にクロードの機能がこの⽣成AIに導⼊されるということであれば、かなり精度の⾼い回答が出てくるんじゃないかなと思いますし、実際にインターネット上に転がっている診療録を読み込ませて、⼊院診療計画書や診療情報提供書を作らせてみると、かなり模範解答に近い回答が出ているので、クロードの⽣成AIを使っていけば、おそらく電⼦カルテに内蔵された場合には現場でも使うことのできるレベルではないかなと思います。若⼲間違いや修正点は出てくるかもしれませんが、ChatGPTを使うときと⽐較すると、特に問題なく現場でも運⽤できていくんじゃないかなと思っております。

こんな感じで10分超お話させていただきましたが、⾃分のプレゼンを⻑くしたり短くしたりできるかどうかということで、今⽇は⻑くするという挑戦でやりました。明⽇は逆に3分ぐらいのプレゼンと想定していた内容を⼀部お話できるかどうか、それを挑戦していきたいと思っております。

今⽇は⽣成AIが医療機関に与える影響、そして将来の⽅向性について、ChatGPTと最近出てきた⽣成AIのクロードとの⽐較でお話をさせていただきました。以上です。

議事録作成業務からの解放

議事録作成も含め、生成AIをいかに医療現場で活用していくのかを動画で解説しています。

かつてはChatGPT一強だったものが、Claudeの台頭によりユーザー側の選択肢が増えました。病院現場を悩ます議事録の作成。クライアントの病院では2時間会議の議事録作成に数日かけているそう。

もちろんnottaとClaudeを使っても議事録作成時間をゼロにはできませんが、少なくとも数日はかからずに半日あればできそうな気がします。


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