ChatGPTで100ページPDFを瞬時に読み解く!
厚生労働省など省庁のPDFは100ページを超えることもある。しかし、全てが自らに関係ある内容では無かったりする。ざっくりと全体の内容を把握しつつ、興味ある箇所については深く調べたい。そのような時に使えそうなのが「AskYourPDF」(ChatGPTの拡張機能)。早速試しに使ってみたので、紹介していきたい。
* 5月19日にアップした本原稿を5月20日に追記(目次5、6)
拡張機能は、一般にプラグイン機能と呼ばれている。ChatGPTの有料会員限定で開放されて数日が経過したところである。
プラグインの使い方はこちら👇
ChatGPTではGPT-4を選択し、「AskYourPDF」を選択する。
あとは通常のChatGPTと同じように質問をするだけである。
前置きはここまで。ここから考察。
1 全体の文章要約は苦手
今回試しに使ったPDFファイルは「医療計画について」(2023.5.17 中医協総会)。
総ページ数は95ページにわたる。これだけ大容量になると、他の類似ソフトではうまく読み込めなかったりする。
95ページのファイルの全体を要約するようにお願いしたが、さすがにそれは難しいようであった。特定のページのみ要約をしている感じ。一方、3ページ程度のPDFだとしっかり要約していた。
2 キーワードを入れて質問するのがポイント
しかし、ピンポイントでキーワードを入れて質問すると適切な回答がかえってくる。
他の類似ソフトの場合、インターネット上にある他の情報も含めて推測した回答をすることがあるが、「AskYourPDF」の場合、あくまでもPDFに書かれている内容に限定して回答されるので、正確性が高い。
しかも該当ページ数が表示されるため、そのページに飛んで原文に当たれば、正確かどうか確認できる。
3 類似ソフトとの比較
類似機能をもつ「Chat with any PDF」と比較をしてみたい。同ソフトでPDFをアップロードすると、すぐに要約文章が表示される。
これは「AskYourPDF」よりも優れている点だが、95ページすべてを網羅したような要約とは言い難い。サンプルの質問例が表示されるのは「AskYourPDF」よりも親切である。
「AskYourPDF」と同じ質問をしてみた。コンパクトにまとめてはいるが、いまいち内容が伝わってこない。
もう少し詳しく説明して欲しいと追加質問をしたが、固まってしまった。。
このように機能的に問題があるにもかかわらず、「Chat with any PDF」には有料版がある。
「AskYourPDF」は月20ドルのChatGPTに含まれている機能のため、追加で支払う必要がない。
4 今後の方向性を予測する
「Chat with any PDF」のようにChatGPTの機能を間借りしている有料サービスが多数ある。しかし、「AskYourPDF」のように拡張機能で代替できるケースが増えてくるのではないだろうか?
プラグインは、毎日のように追加リリースされている。それを待ってからでも遅くない。
iPhoneのアプリのように無料で使えるサービスが出てくるのであれば、使わない手はないと考える。
5 ページ数が200を超えるとエラーが出る
ここから追記。
「令和4年度診療報酬改定の概要」という388ページのPDF文書について質問してみたところ、エラーが発生。200ページを超えると処理できないよう。
そこで、「地域包括ケア病棟入院料」に限定したPDFのページのみ指定して質問してみた。
やはり200ページを超えているPDFから回答はできないようで、一旦該当部分のみを抽出し、それに基づき質問する必要がある。ただここまで手間をかけるのであれば、自分で読んだ方が速い・・。
6 細かい指示出しも可能
「AskYourPDF」はあくまでもChatGPTベースのため、細かい質問も可能である。
たとえば、オンライン診療の基本方針のPDFについて。
「オンライン診療において医師が特に留意すべき点を3つ挙げてください。」といった質問に回答してくれる。
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