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DXで目指すべきものとは

デジタル化は、なんのために行うのか。

今や電話よりメール、メールよりメッセンジャーの時代。いまさら紙をなくしたいという理由だけで改めてデジタル化というわけでもない。ましてや、ある程度の規模になったらコンピュータを導入せずに事業運営している会社も存在しない。

そんな状況なのに、最近はDXという言葉をよく聞くようになった。

特に最近様々な会社と話をしていると、デジタル化の目的は、結局経営を科学的に捉えて運営したいということに尽きるのではと思えてくる。

コロナの影響で事業はこれまでとは違う状況になってきている。うまくいっていても、うまくいかなくても、結局何が起きているのか?そこを突き詰めて考えることができなければ、自律的に経営状況をコントロールすることはできず、世の中の情勢に振り回されるだけだ。

だからこそ、事業状況を冗長で主観的な現場からの報告書に頼るのではなく、担当者のバイアスを通らないデータとして事態を把握する。

つまり担当者も、管理職も、経営も、全員が同じ数字を見て考える。誰かの主観ではなく、客観的な情報をもとに全員が知恵を尽くす。

DXの本質とは、結局こういうところにあるのだ。

同時に、データ分析は、「データをとにかく集めて分析してみる」というやり方ではダメだということも理解しないといけない。

データに当たる前には、まず考えられる状況について考察すべき。自社のビジネスモデルの根源は何なのかをよく考え、ビジネスが健全に推移しているのかを測るために、何を見るべきなのかをよく考える。単純な言い方をすると、自社の重要なKPIは何か。同時にKPIはお互いに連鎖しているはずなので、そこから見える自社の価値連鎖はどのようなものなのかをよく考察する。

考察ができたら、見るべきデータは何か。事業のどこをデジタル化すべきなのかがわかってくるはずだ。

つまりDXとは、会社の価値連鎖をよく見極めて、その状況がどうなっているのかを図るためのKPIを明確化すること。そしてそのKPIのためのデータを集め考えることなのだ。

つまりデジタルトランスフォーメーションとは、ITツールの話ではなく、直感に頼っていた経営を、データに基づく科学的経営に転換することを指すのだ。

だから、全てをデジタル化する必要もない。

本当のDXは、自社の本質を見極めることであり、本質を考慮して改善していくことだ。

これは、ITリテラシーの問題ではなく、あえていうなら経営リテラシーの問題なのだ。

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