見出し画像

厚田くんせい おばちゃんの商売戦略

1)厚田くんせいは北海道で唯一、白樺の木で燻した燻製を作成している。
2)日本人の群れは「最初は信用しない」ということを肌感覚で認識しており、何度も繰り返しの交渉により今の地位を築いた。
3)燻製はうまい!


発足神社(はったり神社)参拝した後「厚田くんせい」という看板を見かけたので行ってみることに。事前情報を全くなしに訪れたのですが、想像を超えた情報量をインプットすることができました。まとめていきます。

●厚田くんせい 創業30年の燻製屋

創業者のおばちゃん。現在82歳。50歳のときに燻製屋を始めて今に至ります。

画像1

画像2

画像3

画像4

50歳のときに札幌に住んでいて、何かやりたいなー、と思っていたところ、たまに作る燻製の評判が良く、これであれば商売になるのでは?ということで燻製屋を始めたということ。

場所選び

燻製は煙が出るため街中ではできない。とはいえ札幌から離れすぎてしまってはこれまで培った人脈も途絶えてしまう。また魚は日本海側が良い、ということで、札幌から車で1時間半ほどの厚田に居をかまえることにしたということ。

最初は一人で始めた
50歳の時始めた燻製屋ですが旦那さんは札幌に仕事があるということと、ぐずぐずしていたら時が過ぎるばかりだ、ということで、自分一人で燻製屋を始めたということです。後ほど旦那さんが合流したということ。

最初の交渉は興味を持ってくれなかった。結局は繰り返しの交渉
日本人の群れは「最初は信用しない」という傾向があるらしいです。おばちゃんもそれを肌感覚で知っていたらしく、厚田で燻製をやりたいということを繰り返しの交渉をすることで燻製屋を開くことができた、ということでした。
このことは、別の言葉でも似たようなことを言っていました。「昔、車で店の前を通り過ぎたけど、もう一度通りかったので寄ってみたという人が結構な数いる。インターネットとかで調べてここに来たんじゃないかな」ということを言っていました。やはり信頼=商売ですよ。




●燻製作成現場 北海道で唯一、白樺の木で作成する燻製

画像5

おばちゃんが言っていたこととして、この燻製の作成方法は特殊なやり方をしているということです。普通であればウッドチップを燃やして燻すらしいのですがウッドチップそのものが高価であるためそこらへんにたくさん生えている白樺を使っているということ。白樺の木で作っている燻製はなんでも北海道で唯一ここだけだそうです。

燻製は火の調整が難しい
燻製は煙で燻すわけですから、火の調整が非常に難しかったということ。現在の燻製工場は3代目ということで、過去には火事にもなったとか。火が出ないような工夫をモノにできるようになったのは10年ほどかかったということ。

●ニシンの燻製はもはや獣肉のうまさ!

画像6

買った燻製はまだ食べていませんが、贈与してもらったニシンの燻製はめちゃウマ!
本当にこれは獣肉を食っているレベルのうまさ!
酒が飲みてーと思ってしまううまさです!


●30年やり続けた魚さばき

30年もの間ひたすら魚をさばいてきただけあって、魚さばきがあまりにも早すぎる。僕にホッケとカレイをそれぞれ2匹いただけるということで、さばいている最中を撮影したものです。
まさにプロ。


●一級国道をすべて車で踏破

僕がすべての神社参拝しているのですということを話したところ、一級国道すべてを踏破したということを話してくれました。一級国道とは1桁または2桁の国道のことを指します。これをすべて網羅したということです。
踏破にあたっては、燻製屋を休んでいる冬の間を使って移動していたということ。
この記憶はかなり強く残っているらしく、テレビとかで交通事故の映像等がでると「ああ、あの交差点は危なかったんだよ!」とか覚えているとか。

●長崎ちゃんぽん最高!

話を始めて冒頭に、いきなり長崎ちゃんぽんが美味い!ということをいきなり話し始めました。今現在は旦那さんがいないらしいのですが、旦那さんが亡くなった後でも自分で車を運転して長崎までいってちゃんぽんを食べに行ったということです。

●息子さんはJICAでガーナに行っていた

自分の子供には「日本は将来的には自動化された世界が待っている。自分が人間らしさをもって生きていきたいのであれば、日本以外の国で働くということを検討すべき」ということを教えていたということ。
その一環としてJICAに興味を持っていて、息子さんはガーナに畜産関係として数年間滞在していたそうです。なんでもニワトリを品種改良をしたらしいのですが、最初に行ったときは「あまりにも野性的なニワトリ」がいてかなり人間に対しても攻撃的で、日本のニワトリとは全然違ったということ。


●まとめ

おばちゃんは82歳でありながらひたすら話を続けるほどの元気さがありました。健康の3要件のうち、肉体的、精神的健康は問題ないように思いました。
社会的健康(群れ)については、持ち前のおしゃべりを使って単純接触回数を増やしていったのでしょう。
つまり、何かを成し遂げたいと思ったら、単純接触回数を増やすために、少々空気が読めなくてもおしゃべりをしていったらよいかと。言い換えたらアウトプットですね。

とても良い出会いでした。本当によかった。
こんな出会いをたくさんしたいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?