バラの挿し木の観察日記
この記事はあらBさんのじゆうちょう Advent Calendar 2021の10日目として書いたものです.
2021年,初めてバラの挿し木に挑戦しましたので,その経過や初めて知った園芸便利グッズをこの機会にまとめておきたいと思います.アップしている写真に写り込んでいる部屋が汚いのは許してください(汚部屋クラスタなので).今回の記事が挿し木をしてみたい方の参考になれば幸いです.尤も他に参考になるブログはたくさんありますが…
背景
・コロナ禍で関東に帰れない日々が続き,自宅でできる趣味がほしかった.
・ちょうどバラの切り花を頂く機会があった.
・実家の母が園芸好きで「バラは挿しておけば増える」(実際はそんなに簡単ではない)と言っていたことを思い出す.
上記3つのタイミングがばっちり合ってしまい,観葉植物も多肉植物も枯らしたわたしが挿し木をはじめることになりました.わたしは切り花で頂いたものを使ったので,品種がよくわからないままに挿したのですが,品種がわかれば,より管理がしやすいかもしれません.
水挿し期①(3月下旬〜4月上旬)
挿し木には土に挿す方法と水に挿す方法があるようなのですが,事前の準備が楽そうな水差しを選びました.さらに水差しにもいろいろあるようなのですが,私は下記の動画を参考にスポンジに挿す方法を試してみました.
わたしは切り花から挿し穂をつくったのですが,だいたい長さが節2つ分くらい,葉っぱを2〜3枚残す感じでつくりました.節(脇芽?)のところから新芽がでてくるので,ここが地上部分に残っているのが大事です.
動画でも使っていますが,ここで出てくるのが「発根促進剤」です.わたしも動画と同じルートンを使いました.Amazonだと2つとか3つでまとめ売りされています.そんなにいらないんですがw
というわけで出来上がったのが次の写真の挿し穂たちです.動画では屋外で管理していましたが,我が家では屋内で,窓辺に置いて管理をしていました.実は挿し穂を作ってまだ2,3日の頃に日当たりが足りず,挿し穂の半分くらいの葉が萎れてしまいました.挿し木の段階だと,しおれてしまうと復活は難しいようで,泣く泣く萎れた葉はカット.茎だけの状態で挿していましたが,だんだん枝が腐ってきてしまい,結局この半分くらいはほぼ発根せずに脱落していきました.日当たり大事.葉がしおれてしまう事件が起きて以来,挿し穂はカーテンと窓ガラスの間に設置し,外出時,カーテンを閉めている時でも常時日当たりを確保するように改善しました.
また,動画ではトレーに水を張っていましたが,ペットボトルにすることで水の交換がしやすくなっています.キャップを開けて古い水を捨て,新しい水を上から注ぐ感じで,毎朝交換していました.水の交換はもうちょっとサボってもいいのかもしれませんが,根腐れが怖かったので,毎日交換していた感じです.最初の一週間くらいは面倒くさかったですが,慣れました.
あとは,水挿しを初めてしばらく経った頃,挿し穂の上の切り口に癒合剤を塗りました.切り口から病気になるのを防いでくれるものです.挿し穂を作った段階で塗っておくともっと良かったのかもしれませんが,癒合剤を知ったのが後だったため,しばらく経ってからになってしまいました.私が使ったのはトップジンMペーストです.住友化学園芸,園芸を始めるまで知りませんでしたが,めちゃめちゃお世話になっています.
水挿し期②(4月上旬〜5月上旬)
水挿しをはじめて2週間くらいたったころ,たまたま挿し穂をつくったときに葉っぱを残せなかったものから,新芽が生えてきました.挿し穂に変化があるとやっぱり嬉しいですね.
元々の大きな葉を残しておらず,水挿しをしてから新芽を出した挿し穂は2本あったのですが,一本は発根する前に腐って脱落してしまいました.生き残った枝は今も元気ですが,大きな葉がついていたものに比べて,発根が遅かったです.やはり葉が残っていた方が,光合成して得たエネルギーを発根に回せるので,生き残りやすい傾向があるのかなと思います.
4月下旬,ついに発根を確認しました.生命力,すごい.12本挿し穂をつくって発根したのは5本でした.内訳は元々の大きな葉があったもの3本,新芽が先に出てきたもの(上の写真の挿し穂)1本,枝だけだったもの1本でした.初心者にしてはなかなかの生存率になったのではないでしょうか.
鉢上げ期(5月)
5月上旬から下旬にかけて発根したものから鉢上げ(土に植えること)をしていきました.鉢は5号のプラスチックの鉢を使いました.土はホームセンターで売っていた「バラの土」と根腐れ防止剤を混ぜています.他に鉢底石も購入しました.この段階でスコップや水差しなど,園芸用品が自宅に増えた気がします.植え替えの際,根っこがスポンジに入り込んでしまっていたので,スポンジは完全除去はせず,ある程度除去したらあとは土に根っこ部分と一緒に埋めてしまいました.
鉢上げしてすぐは,水挿しのころと急に環境がかわってしまうとよくないということなので,毎日水やりをして水挿しに近い環境を作るよう心がけました.水受けにも常に水が張っている状態をキープします.だいたい2〜3週間はこのような管理で過ごしました.
鉢上げできた挿し穂は全部で5本あったのですが,そのうち,大きな葉っぱも新芽もない状態の枝から頑張って発根してくれた挿し穂が鉢上げ後に根腐れを起こし脱落してしまいました.ここから4鉢体制で成長期を迎えることになります.
成長期(6月〜)
鉢上げ後数週間で,4鉢中3鉢は順調に新芽が展開してきました.
こうなったら,一般的なバラの苗木と同様な管理をしていくことになります.その際,私がいくつか直面したできごとについて,書いていきたいと思います.
水やりのタイミングがわからない
検索するとどこにも「バラは土が乾いたら水をたっぷり,水受けの皿に水が出てくるくらいあげましょう.」と書いてあるのですが,園芸ど素人にはこのタイミングがさっぱりわかりません.なんとかならないかとさらに検索してたどり着いたのが,水やり管理グッズのサスティーです.
これがもうめちゃめちゃ便利.中に芯が入っていて,これが水を吸い上げて,土が湿っている時は窓部分の色が青くなり,乾いた時(水やりのタイミング)に白くなってくれるという優れもの.しかも安い.これのおかげで水やりの管理がグッと楽になりました.バラに限らず,植物を育てている方にオススメです.
キノコと虫との戦い
私は鉢上げ後も室内に鉢を置いているので,そのせいもあったのかもしれませんが,梅雨時期にきのこがたくさん生えました.対処法としては抜くだけなので,大変なわけではないのですが,ちょっとびっくりしましたw
本題は虫との戦いです.特に苦労させられたのがハエとハダニでした.ハエは,三角コーナーなどに湧いてしまうハエとは異なり,キノコバエと呼ばれる土に生息するハエなので,あまり汚い感じはないのですが,やはり気分がよくありませんし,大量発生するとバラにもよくないみたい,ということで駆除グッズをそろえました.
この粘着タイプの捕獲器がとてもよかったです.土に挿して使うのですが,キノコバエは土の上を歩く性質があるらしく,歩いていると,捕獲器の緑に誘われて粘着部分にくっついてしまう,という仕組みです.あとは同じシリーズのスプレーも買いました.こちらはあまり使いませんでしたが,ハエがすでに鉢のまわりをとびまわってしまっているような状況のときに鉢を置いている部屋にシュッとすると,いい感じにハエが弱って落ちてくれたような気がしました.
ハダニはダニではなく,クモの仲間だそうです.葉緑素を吸ってしまうらしく大量発生してしまうと株が弱ってしまうので早めの対処が大事です.発見したときは,白い糸が葉っぱに張っている状態で,「なんだろうこれ,室内においてるし埃…?」と思っていたのですが,じっくり観察していると動いている小さな虫がいて,おえええええとなったのを覚えています.発生初期であれば,こまめに葉裏に水を撒く(窒息してハダニが死ぬ)ことでも対処が可能で,初期はそうしていました.葉っぱの枚数が増えてくると対処が大変なので,後半は薬剤をつかっていました.つかったのはベニカマイルドスプレーという野菜・果物にもつかえる殺虫剤です.バラ用のもっと強い薬剤もあるのですが,使うときに農薬散布の時と同等の重装備が必要なのが面倒でやめました.今のところ,マイルドスプレーで十分対応できています.
肥料の存在をすっかり忘れていた
鉢植えの場合,土の栄養を使い果たしてしまうとそれ以上栄養が供給されないので,どこかのタイミングで肥料をあげないといけません.わたしはど素人なので肥料という存在を完全に忘れていて,ずっと一所懸命水だけをあげていました.8月くらいに成長がとまってしまい,やっと気付いたというわけです.液体の肥料だと希釈が面倒なので粒状のものを使用しました.パッケージに鉢の大きさに合わせた大体の使用量の目安が書いてあるのでその通りあげています.使用頻度はだいたい3ヶ月に1度くらいです(これもパッケージの裏に書いてある).肥料をあげたタイミングで,それまで新芽が展開していなかった残りの1鉢も,ぐんぐん成長をはじめました.
最近の様子
8月ごろから,株が蕾をつけはじめました.残念ながら,挿し木したばかりの株はまだ栄養が乏しく,花をつけてしまうと花に栄養をたっぷりつかってしまい株全体が弱ってしまうので,今年は蕾を落とします.
9月ごろから新芽が伸びて鉢がせまくなった株の植え替えを開始しました.5号の鉢から6号のすこし縦長の鉢(写真中央の紺色の鉢)に植え替えです.バラの根は下へ下へ伸びていくので縦長の鉢が良いようです.同時に支柱も設置しました.
12月現在では4鉢とも植え替えが完了し,バラたちは縦横無尽に枝を伸ばしまくっています.蕾ももういくつ落としたか忘れてしまうくらいつけています.虫が大量についてしまうことなどを避けるためにこれまでずっと室内管理でしたが,春には外に出そうとおもっています.そろそろ室内のスペースでは狭くなってきたのでw
まとめ
ど素人でも丁寧に管理すれば挿し木から成長期までバラを育てられることがわかりました.今後は栄養状態や病気に気をつけながら冬を越して,来年の春には花を咲かせられるといいなあと計画しています.また何かの機会があれば,バラの開花までの記録をどこかで公開できたらと思っています.ここまで読んでくださった方(もしいたら)ありがとうございました!