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2021.11.7 - i☆Ris 9th Anniversary Live ~Queen's Message~

introduction

「終日幕張満喫デー」は、昼の部・ZOZOマリンスタジアムでのパ・リーグCSの試合を最後まで見届け、これから夜の部へと場所を移す。ZOZOマリンから徒歩で1kmも離れていない幕張メッセイベントホールに移動。今回が初訪問となる、i☆Ris(アイリス)のデビュー9周年ライブだ。恥ずかしながら、これが自分にとってのi☆Risライブ「初参戦」である。

i☆Risとは、avexがプロデュースするアイドルグループで、山北早紀・芹澤優・茜屋日海夏・若井友希・久保田未夢の5人で構成されている。5人全員が声優としても活動しており、舞台俳優やシンガーソングライターなど個人でも活動の幅を広げている多才なグループだ。なお、2012年の結成時は6人だったが、今年3月に澁谷梓希がグループを脱退し、現在は5人で活動中。今年から更なるファン層拡大のためにSNS戦略を強化しており、YouTubeでの動画配信を始めるなど、プロモーションに力を入れている。詳しくは公式サイトWikipediaなどを参考にすれば良いかと思う。

i☆Risは、以前から知っていたし、なんとなく興味もあった。Wake Up, Girls!を観ていた頃から、イベントでのコラボなども頻繁に行われていたし、楽曲もいくつか聴いたことはある。ただ、以前の自分はアイドルグループの中ではかなりWUGに傾倒していたので、なんとなく「i☆Risも応援する」というところまで気持ちが回らなかったように記憶している。その後、色々な出来事があってWUGと距離を置いたこともあり(笑)、i☆Risの近況を知る機会ともしばらくは遠ざかっていた。

i☆Risとの接点が再び生まれたのは、つい最近のことだ。何気なくYouTubeを見ていて、ふと目に入った『Summer Dude』のMVにビビッときてしまったのである。彼女たちのイメージが未だに『ドリームパレード』で止まっている自分としては、ちょっとした衝撃であった。

その後、YouTubeで最近の楽曲や動画などをひととおりチェックし、彼女たちの「いま」は一体どうなのか、急激に興味がわいてきた。SNS戦略に見事に釣られた以上は、やはり一度はライブの現場に立ち会いたい(笑)。巡り合わせというものはあるようで、今回のデビュー9周年ライブの一般先行抽選受付のタイミングが、その興味が湧いたのと同じ時期だったのは幸いだった。全く躊躇なくチケットを申し込み、無事に当選。本日、晴れてこの場に駆け付けるまでに至っている。

今回のライブ会場は幕張メッセのイベントホール。以前、茅原実里のライブで一度だけ訪問したことのあるハコだ。収容人数は公称で9,000人とのことなので、感染症対策のための座席配置なども考えれば、実際の収容人数は高々4,000人といったところか。入場時には新型コロナウイルス接触確認アプリである「COCOA」のインストールが事実上必須になっており、「こやつ、まだ生きておったか!」という気持ちになる(笑)。

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自分の座席は南側スタンドの3階席。スタンドの中でも最上階にあたり、ステージを左側に見るような感じだ。チケットは一般先行で押さえたものなので、多少の見にくさは我慢するしかない。スポーツイベントと同様、感染症対策のため座席間隔を空けての販売となっており、隣席が絶対に空席なので足元に荷物を置きやすいのはありがたい。両隣がどちらも女性で少し驚く。「i☆Risには女性ファンが多い」という話はたまに聞くが、開演前からいきなりそれを実感させられる(超局所的な話ではあるが・・・)。入場時の体温測定や「COCOA」の接触確認チェックなどで手間取っていた影響か、18:00の予定より10分ちょっと遅れての開演となった。

live

#1 - 幻想曲WONDERLAND
#2 - ありえんほどフィーバー
#3 - 5STAR☆(仮)

冒頭のオープニングムービーが終わると、舞台後方のステージがせりあがってきてi☆Risの5人が登場。今回の「Queen's Message」という副題よろしく、お姫様をイメージした豪華なドレスにマントを羽織っての登場だ。1曲目は『幻想曲WONDERLAND』からスタート。事前にしっかり予習してきた曲のひとつで、これは幸先の良い出だしだ。続いて5人が衣装のマントを取り、アップテンポ曲の『ありえんほどフィーバー』。更に直近にリリースしたシングルのC/W曲でもある『5STAR☆(仮)』と、序盤から鉄板曲と新鮮なナンバーを織り交ぜてくる。

3曲目まで終えたところで、この日最初のMC。お馴染みの口上で行われるメンバー自己紹介と、簡単なトークが入る。自己紹介では平時ならば観客と声の掛け合いがあるところだが、声を出しての応援は出来ないため、声と同じタイミングで手拍子を入れる。周囲のファンはすっかりこの「コロナ対応版」の訓練がされていて、見事なものだ。トークテーマの中身は本当にフリーという感じで、そこまでカッチリとした決まりは無さそう。メンバー5人の自然体な雰囲気が出ており、YouTubeチャンネルの動画で見るのと同程度の、良い意味での「ゆるい」感じが出ている。

#4 - Cheer Up
#5 - イノセントイノベーション
#6 - Vampire Lady
#7 - Baby...
#8 - One Kiss

4曲目はライブ初披露の『Cheer Up』。これも直近のシングルのC/Wとしてリリースされたばかりの楽曲だ。軽快なダンスのステップも相まって個人的には結構好きな楽曲である。6曲目からは少し雰囲気が変わって「大人なムード」のステージが続く。『Vampire Lady』と『Baby...』は、正直なところ予習が足りていない楽曲なのだが、自分好みなテクノポップの曲調とステージの演出の組み合わせが非常に良く、しっかり聴き込んでこなかったことを激しく後悔。『One Kiss』が終わると、メンバーが一旦衣装チェンジのためステージを捌ける。ここからは後半戦だ。

#9 - Summer Dude
#10 - 12月のSnowry

幕間の映像との繋ぎで始まる後半戦最初のナンバーは、直近にリリースしたシングル曲の『Summer Dude』。自分にとって、i☆Risとの接点になった重要な一曲だ。声を出しての応援ができない中、クラップで合いの手を入れることのできる場面が多く、かつ大人らしい雰囲気もしっかり出ているところが素晴らしい。

続いての曲は、12/8にシングルのリリースが予定されている新曲『12月のSnowry』。『Summer Dude』と対になっている季節ソングで、どこか1990年代を思わせる懐かしい曲調が心地良い1曲だ。11月という既に秋が深まっている時期に『Summer Dude』をどのようにセットリストに組み込んでくるか注目していたのだが、こういうストーリー性を持たせる形で組み合わせてくるとは・・・。見事な構成だ。

#11 - Happy New World☆
#12 - ブライトファンタジー
#13 - Thank you forever!

11曲目『Happy New World☆』からは、メンバーがステージ脇に設置されたトロッコに分乗してアリーナ中央や後方へ移動。アリーナ会場だからこそできる演出で、後方支援組にとっては嬉しいサプライズだ。続く『ブライトファンタジー』はイントロが流れた瞬間に自分の近くの男性ファンが頭を抱えて喜びを表現するほどの鉄板ナンバー。もちろん自分も予習済みだったが、実際に現場で聴いてみると、ライブのノリと非常にマッチしていて盛り上がりやすい楽曲なのだなと実感させられる。

『ブライトファンタジー』が終わると、メンバーがトロッコからアリーナ各所に設置されたリフターに乗り換えて『Thank you forever!』。南側スタンドにいる自分の近くには、リーダーの山北早紀が来てくれた。3階席の高さではあるが、リフターに乗って2階席あたりの高さまで近づいてきてくれたので、彼女の表情が分かる程度の距離にはなった。アリーナ中央に設置されたミラーボールで光が散らばる演出がとても美しい。曲中の山北のパートで、彼女が声を詰まらせる場面があったほど感動的な光景だった。

#14 - Color
#15 - Goin'on

リフターに乗って最後の曲は、i☆Risのデビュー曲『Color』。やはり彼女たちを語る上でこの曲を外すわけにはいかないだろう。この楽曲がリリースされたのは9年前の今日、2012年11月7日だ。オールドなi☆Risファンにとってはいつ聴いても溜まらない一曲だろう。i☆Risがステージに戻り、最後のMCを挟んでの締め括りの1曲は『Goin'on』。これまた数あるi☆Risの楽曲の中でも代表的な鉄板曲のひとつで、当然予習済み。最高潮の盛り上がりで終えたここまでの15曲だった。

i☆Risメンバーが一度ステージを捌けた後、ステージ上のスクリーンにはデビュー9周年を迎えたメンバー5人の直筆メッセージが映し出される。そこにはメンバーや関係者、そしてファンへのこれまでの感謝と、デビュー10年目に向かう未来への決意が、彼女たちそれぞれの言葉で綴られていた。1人1人のメッセージが流れるたびに客席からは大きな拍手が送られ、5人全員分のメッセージが流れると、いよいよアンコールだ。

#En1 - ドリームパレード
#En2 - アルティメット☆MAGIC

アンコール1本目は、もはやi☆Risにとって金字塔の1曲といっても過言ではない『ドリームパレード』。初めての自分はもちろんのこと、既に何度も場数を踏んでいるであろう他のファンも、最高潮のテンションでサイリウムを振るい、ステージを盛り上げる。アンコールMCでは、メンバー全員からデビュー9周年に対する感謝の言葉がたくさん溢れてきた。昨年のデビュー8周年ライブは無観客での開催だったようなので、有観客での周年ライブは2年ぶり。彼女たちにとって、アイドル活動の原点ともいえる「ファンの前に立つ」という仕事ができない中での不安はいかばかりだったろうか。そういったこともあるのか、「もっと売れたい!」という貪欲な言葉をリーダーの山北早紀が憚らずに口にしていたのが印象的だった。

ステージの最後を飾る1曲は『アルティメット☆MAGIC』。自分もバッチリ予習済みで、この曲は是非聴きたい!と思っていた中のひとつなので、これが最後の曲に選ばれたことには嬉しさしかなかった。アリーナ中から拍手が贈られる中、下降式のリフトでi☆Risがステージを後にして終演。ライブ時間は概ね2時間半程度。濃密で、あっという間の時間であった。

impressions

事前に思い描いていたレベルを遥かに超える、大満足のライブだった。特にグッズ収集欲の無い自分が、終演後に真っ先に物販の列に並び、パンフレットを購入してしまったほどである。3階席からの観覧ということで、ステージとは距離があったので、「高見の見物」のようなあっさりとした体験になってしまう懸念もあったのだが、i☆Risがスタンド席まで巻き込む圧巻のパフォーマンスを見せてくれたおかげで、彼女たちの表情までが見えないのはさほど気にならなかった(オンライン配信向けの映像がビジョンで流されていたので、そちらで確認できるだけで充分だった)。

楽曲、ダンスを中心としたパフォーマンス、そして演出の完成度、全てが良かった。それでいて、MCでの良い具合の「力感の無さ」がギャップにもなっていた。終盤のMCで「5人でのダンスを覚えるのが大変だった」という素直な感想が本人たちの口から漏れてきていたのも印象的。確かに、5人それぞれ個人の仕事で多忙な中、元々6人で歌っていた曲のフォーメーションを5人用に修正するのは簡単なことではなかっただろう。本当に綿密な準備があってこそのライブ成功だったのだと思う。

セットリストも、人気曲を一本調子で攻める感じではなく、C/W曲を多めに組み込んでいたようで、ライブでは久々の披露という曲も多かった模様だ。コアなファンにとっては嬉しい誤算だったかもしれないし、新参者の自分としては、「こんな曲もあるのか」という良い発見になった。幕張からの帰りにさっそく復習をしたことはいうまでもない。個人的には『Endless Notes』や『ハピラキ☆Dream Carnival』、そして『Spending』あたりも聴いてみたかったが、それはまたの機会のお楽しみとしてとっておきたい。

トロッコ・リフターを使ったパフォーマンスの時間が多かったのも印象的だった。ライブ中のMCでも触れられていたが、i☆Risの単独ライブでトロッコとリフターを使ったのは初めてのことだったらしい。なかなかファンと近くで触れ合うことのできない時期が続いている中、少しでも多くのファンに近くで見てほしいという思いが感じられる演出だった。ファンも節度ある応援に徹していて、ややもすれば大声を上げて応援したくなってしまうような場面はかなり多かったと思うのだが、皆ぐっと堪えて「おお・・・ッ!!!」といった具合に興奮を噛み締めていたのが好印象だった(笑)。

また、アイドルグループを追う以上、どうしても逃げるわけにはいかないのが「推し」の問題であるが、自分は山北早紀か久保田未夢のどちらを推そうか未だに迷っているところ(笑)。今日に関しては、『Thank you forever!』で声を詰まらせてしまい、後のMCで「グッと来たけど、我慢した」とリーダーの矜持を口にした山北早紀の魅力が上回ったかなと思っている。やはり年齢的に自分と一番近い最年長のメンバーは気になってしまうもので、「年齢を考えれば、自分にとってi☆Risが最初で最後のアイドル活動」といった責任を感じる発言や、ライブからの帰宅後に1人ラーメンを作って食べていたツイートの「やりきった感」にはとても共感ができた(笑)。

ライブ中のMCで、i☆Risメンバーは何度も「あと1年でデビュー10年」ということに触れ、この節目で「もっと大きなことをやり遂げたい」という旨のことを何度も言っていた。おそらく今年始めたSNS戦略なども、そういった10周年に向けての布石なのだろう。そして今日のデビュー9周年という節目の日のライブは、次のデビュー10周年に向けて決意を新たにする、最初の1日でもあったはずだ。そんな特別な場に居合わせることができたのを嬉しく思っている。なにぶん趣味にも「本業」がある以上(笑)、足しげく彼女たちのイベントやライブに足を運ぶことはできないが、これからも出来る範囲でi☆Risの動向はチェックしていきたいと考えている。

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