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『春を背負って』

『未踏峰』の次に『春を背負って』を読んだ。

『未踏峰』は北八ヶ岳が舞台の長編だったけど、『春を背負って』は短編集だった。同じく山小屋を舞台にしている。
山は奥秩父連峰のどこか。
私はかってに、国師ヶ岳と金峰山の間辺りと推察した。主人公の母親がやっている民宿は長野県の川上村、と。
実際そうと思わせる様な文章が書かれてある。
どちらも、読んでからだいぶ経っているから、些か記憶は曖昧だけど。
「小説家、見てきた様に嘘をいい」じゃないけれど、全く、笹本稜平は実際に山小屋でバイトしたことあるんじゃないか、と思えるくらい、うまいと感じた。
ともかく。
『春を背負って』の舞台は奥秩父だからこそいいのだ、と思っていた。


映画カメラマンをやっていた木村大作が、『劔岳  点の記』を初監督した後、二作めに『春を背負って』を映画化する、その舞台をまた北アルプスにする、と聞いた時、大いに疑問に思った。

『劔岳  点の記』は、さすが!カメラマンと、感動した。
ある意味、いい素材をとりあげたものだ、と感心した。
これなら、演出方法に不得手な人でも、問題なかったろう。けれど、一つ気になったことがあった。キャスティングのことだ。
劔岳での修行行者に夏八木勲で、陸地測量部長(陸軍少将)に笹野高史なのだ。これは気になった。。?逆だろうと。
行者にどうして夏八木勲だったのか?腑に落ちない。そうでなかったら、陸軍少将に笹野高史でも納得できたかもしれない。とにかく、行者に夏八木勲で陸軍少将に笹野高史という、このキャスティングはどうも納得いかなかった。
そのうえに、『春を背負って』の舞台をまた北アルプスにした。(どこをとっても画になるから、らしいのだが・・)

そうして、『春を背負って』をみてみたら、案の定だった。
キャスティングに納得していなくて、殊に悟郎さんに豊川悦司。。?
最悪は、ラストの方の、カメラがグルグル回るシーン。松山ケンイチと蒼井優が両手つないで回る、そのまわりをカメラも回る。すっかりシラケてしまった。

蒼井優も宮崎あおいも、どーーーーも私は好感できない。はい。私の個人的好み入ってます。(『舟を編む』で、かぐやは黒木華の方にしてほしかった。)



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