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ストレイト・ストーリー

73歳のアルヴィン・ストレイトの元にある日、76歳の兄が心臓発作で倒れたという知らせが入る。10年来仲違いをしていた兄に会うため、アルヴィンはたったひとりで時速8kmのトラクターに乗って560km先の兄の元へ旅に出ることを決意する。

いつも難解な作品のイメージが強いデヴィッド・リンチ監督らしからぬ作品だなぁーと思っていたが、元ネタが1994年にNYタイムズに掲載された実話を基に製作されたのを知って納得。

本作でアカデミー賞、主演男優賞にノミネートされた名優リチャード・ファーンズワースの遺作ともなっている。

特別大事件が起きるような派手な作品ではなく、淡々とトラクターに乗ってゆっくりと旅をするおじいちゃんのお話だ。

道中様々な人達と出会い別れを繰り返し悩みを持つ人達に微量ながら、真面目に長く生きてきたストレイトの人間味や内面がしっかりと表れており、ちょっとした会話の中に見え隠れする優しさと温かさ、若者との会話で

「老いて最もつらいことは、若い頃のことを覚えていることだ」

というアルヴィンの言葉は胸に刺さるものがあったりと、見事なヒューマンドラマに仕上がっており本当にこの作品はあのデヴィッド・リンチが作ったのかと何度疑った事か(笑)

途中トラブルもありながらもゆっくりとトラクターでひたむきに目的地を目指すアルヴィンをいつの間にか心の中で応援している自分もおり!!ラストの兄弟2人で星を眺めてるシーンは見ててウルッときてしまった。

見終わった後は静かに余韻に浸れる映画であり、自分的に年に1度発作のように急に見直したくなる作品でもある。

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