見出し画像

災害用のラジオについて

2024年1月1日に起きた能登半島地震は、東日本大震災を思い出させる大地震でした。被災地では大規模な停電も発生し、情報収集のためのテレビが使えず、バッテリー節約のためスマホの使用も制限していることが多いと思います。

防災グッズとラジオ

こうしたとき、頼りになるのがポータブルラジオです。数本の乾電池で何十時間でも動作するラジオは、停電の心配いらずで、受信設備としても本体内蔵のアンテナがあればOK。

ラジオは広域放送のテレビより、地域情報に強いのも特徴。防災情報などは、それぞれの地域の実状に合わせた内容が放送されています。

僕は東日本大震災をきっかけに、ラジオを何台か購入することになりました。被災地の方々が今からラジオを購入するのは難しいかもしれませんが、防災意識の高まりの中でこれからラジオ購入を考えている人や、防災用品としてラジオを準備しようとしている人のために、防災に活用できそうなラジオや使用上の注意点を紹介しようと思います。


機種選択の基準

ラジオはさまざまなタイプのものが多数販売されているので、機種選択に当たってある程度の判断基準を設けておきたいと思います。

購入予算は5,000円未満

実用品としてのラジオが高価である必要はありません。僕自身はラジオ集めが趣味のようになっているので10,000円ぐらいなら出してしまいそうですが、防災グッズなら2,000円〜5,000円ぐらいの範囲で充分だと思います。

スピーカーが付いていること

東日本大震災の際は、1台のポータブルラジオの周囲に数人が群がり、ニュースに聞き入っている場面を何度か見かけました。小さくてもスピーカーが付いていると、非常時に家族や周囲の人と貴重な情報を分かち合うことができます。

国内メーカー製であること

ラジオは海外メーカー製品の方が高機能で値段も安かったりしますが、製品の信頼性の点で少し心配な部分もあります。国内メーカーが初期不良をなるべく出さないように品質管理をしているのに対し、海外メーカーは初期不良品を個別に交換した方がトータルコストが安いと割り切っている面があるからです。

現在国内でラジオを扱っているメーカーは、ソニー、パナソニック、東芝、オーム電機などでしょうか。オーム電機は中国製ラジオのOEMが多いようですが、大手量販店や大型スーパーの家電コーナーなどではよく見かけます。

自分が欲しいと思うかどうか

単純にスペックで比較するのではなく、最終的には「これなら自分で買ってもいい」と思えるラジオを選びました。

そのため今回のリストからは、防災ラジオとしては定番にも思える「手回し充電式ラジオ」が除外されています。ギミックとしては面白いのですが、ラジオとしての性能に疑問があり、発電のための可動部分があることで耐久性にも不安があるからです。

でも、最終的にこれは趣味の問題かもしれません。

ラジオは状態のいい電池さえあれば何十時間も使えます。非常時に数日間ラジオを使う程度であれば、電源は乾電池だけで充分だと思っています。

ラジオ以外に持つべきもの

ラジオと一緒に持っておくべきもの、持っておくと便利なものをリストアップしておきます。

予備の乾電池など

予備電池は絶対に必要です。ラジオに使用できるサイズの電池を、当座使用する電池とは別に1セット持っていると不安がありません。

防災用なら新品未開封の電池を持っていると安心ですが、使いかけの電池や充電式電池を使う場合は、電池チェッカーで残り容量を調べておくといいと思います。

僕は家中の電池をエネループなどの充電式電池にしています。災害時には物流も途絶えがちになり、電池も足りなくなると思います。しかし充電式電池なら、電源が回復した時点で電池を充電して使い回せます。

電池ケースと電池アダプター

電池はバラバラにならないよう電池ケースに入れておくと、いざという時に引き出しや道具箱の中などを探し回らずに済みます。

電池は機種ごとに使用サイズが異なる事がありますが、単一電池と単二電池については、電池アダプターを使って単三電池を使い回す方がいいかもしれません。そのかわり単三電池や単四電池を多目にストックしておけば、予備電池を管理する手間が減らせます。

電池ケースや電池アダプターは、100円ショップなどで購入することもできたはずです。

イヤホン

避難所などで夜中にひとりでラジオを聴くときや、電池を節約したいときなどは、スピーカーを使うよりイヤホンを利用した方がいいと思います。モノラルのイヤホンは100均でも買えると思いますが、家電店で国産の音響メーカー品を買っても数百円です。

お勧めのラジオ3選

今回は結果として全部パナソニック製品になりましたが、その理由は、性能に比べて値段がリーズナブルに思えたからです。

僕自身はソニーのラジオを何台か持っているので、現時点で「防災用」としてお勧めできそうなラジオならパナソニックの製品がよさげです。

価格は何となく書いておきました。Amazonへのリンクを貼ってありますが、Amazonよりヨドバシカメラの方が安いこともあります。

3機種に共通の特徴

AMラジオについては、デジタルチューナー搭載で選局が簡単な「らくらくチューニング」機能を搭載しています。チューニングを厳密にしなくても、自動で最寄りの放送局に合うそうです。

見えやすい蛍光色ポインターと蓄光材料で光る「蛍光色ポインター&光るダイヤルパネル」を搭載しています。

パナソニック RF-P155

AMとワイドFM対応。単三電池2本で動作。ハンドストラップ付き。162g(電池込み)。サイズ的にはポケットラジオというカテゴリーらしいです。

パナソニックのポータブルラジオの中では、現在一番の売れ筋になっている商品だと思います。単三2本で動作するので、4本パックの電池を購入しておけば、バックアップ用の電池も一緒に準備できます。

価格は現在2,000円未満で、気軽に手に入れられるラジオだと思います。

パナソニック RF-U156

AMとワイドFM対応。単二電池2本で動作。ハンドストラップ付き。380g(電池込み)。上記のRF-P155より大型のポータブルラジオです。

ラジオには伸縮式のアンテナが付いていますが、AM受信についてはどんなラジオも本体内蔵のフェライトアンテナを使います。本体サイズが大きくなるとこのアンテナも大きくできるので、受信感度がよくなります。このラジオもAMラジオの受信感度を売りにしています。

価格は3,500円前後だと思います。いま自分でラジオを購入するなら、これを買うと思います。

パナソニック RF-2450

AMとワイドFM対応。単三電池4本で動作。756g(電池込み)。持ち運び用のハンドル付き。AC電源対応で、付属の電源コードを使ってコンセントから電源をとることもできます。

10cmの大口径スピーカーを搭載した、大人数で聴けるリビングラジオというジャンルの製品です。

価格は4,000円台半ばぐらいでしょうか。

ラジオ利用時の注意

以下は上記の機種に限らず、ラジオを使用する際の一般的な注意点です。

なるべく普段使いする

最近は日常生活の中で使わなくなっているラジオですが、ラジオを購入したなら、ぜひ日常使いしてほしいと思います。普段から使っていれば、いざという時に電池がなかったり、故障しているといったトラブルが避けられます。

保管するときは電池を抜く

もし普段はラジオを使わないのであれば、本体から電池を抜いて保管してください。電池の種類にもよりますが、電池を入れっぱなしにしておくと液漏れでラジオ本体をダメにしてしまうことがあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?