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THE MAURITANIAN / モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年10月29日劇場公開)

ケヴィン・マクドナルド監督が選びそうな題材。

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本作も『ラストキング・オブ・スコットランド』のキャッチコピーで使われていた「何よりも恐ろしいのは、人間の本性」の系譜。

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弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)が物語の狂言回し役。芯の強いヒューマニタリアンがある文書を読むことで感情的になる場面がより効果的になるような演技プラン。

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実は本作の映画化を起案したのはスチュアート中佐を演じたベネディクト・カンバーバッチ。裁判でいうところの検察側として証拠集めをしていく内に、ナンシーと知り合いこちらもある事実に驚愕するという演出。この立ち位置も効いてます。

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大量の文書を読んでいるヴィジュアルとか、ちゃんと映像で盛り上げようとするのはドキュメンタリーも得意なケヴィン・マクドナルド監督ならでは。

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VSアメリカ政府という成り立ちを強調した本国版ポスターの方がヴィヴィッドに本作の内容を伝えています。

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一方、日本での宣伝は馴染みの深い「黒塗りの記録」を前面に押し出したヴィジュアル。ただ航空機の陰影を浮かびあがらせるのはちょっと本質からはずれています。

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フランス版のヴィジュアルの方が、控えめですが印象的です。映画の持つ特性をうまく活かしたエンターテインメント手法で実話を伝えることに成功しています。


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