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2017 eiga ベスト10

①わたしは、ダニエル・ブレイク:貧困と人間の尊厳をテーマにした映画を最後に観たのは【泥の河】だったか。その前は【自転車泥棒】だったかも。本作のストレートなメッセージには心が洗われた。21世紀の【生きる】だと言っても過言では無いのではないか。この映画になら涙を絞られても構わない。

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②ノクターナル・アニマルズ:トム・フォード監督、早くもその演出手法が円熟の極みにたどり着いた感がある、パーフェクトな映画。二本の映画を観ているような感覚に囚われる。これ以上ない程のインパクト大のオープニングからラストショットまで全く目が離せない。精緻且つ大胆。

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③ありがとう、トニ・エルドマン:誰もが経験したことがあると思う、家族や友人と一通り別れの挨拶をして、なかなか発車しない電車とか待ってる時の気不味い間。あの間に支配された162分なんですよ。映画の起伏は本当に小さいけど普段の暮らしに忙殺されて忘れているなんか大切な事が映ってます。

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④マンチェスター・バイ・ザ・シー:物語を先へ進める大切なシーンでセリフを一切抜く演出。そうして映画でしかなし得ない方法で感情のさざ波を観客の心に起こすこと度々。でもその方法でしかケイシー・アフレックが演じるアンクル・リーの人生の大き過ぎる悲しみは伝えられ無かった。素晴らしい映画。

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⑤勝手にふるえてろ:日本映画にも【ほえる犬は噛まない】級の傑作が誕生しました、いや【勝手にしやがれ】に並ぶと言っても褒め過ぎではないかも。私達はみんな松岡茉優なのです、私達はみんなスパルタカスであるという意味において。映画史が塗り替わるかも。力無いため息が漏れてます。

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⑥幼な子われらに生まれ:浅野忠信は只者ではない。彼が演じる田中は、私の周りにもあなたの周りにもいる「田中」さんです。普通で凡の極みのようにしか見えないということが銀幕の奇跡である。そしてこの映画、見事なショットの連続で濃い時間と空間を醸成する事に成功している。

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⑦メッセージ:画期的なSF映画だと思います。まず、そのストーリーの組み立ての緻密さにおいて。そして何と言ってもあの飛行物体とヘプタポッド文字のデザイン。それでいて映画が与える印象は精緻に形作られた日本庭園で ししおどし の音を聴いている時のように静謐なのです。

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⑧IT イット “それ”が見えたら、終わり。「良い映画はジャンルを逸脱」する。ホラー映画では瞬殺されて終わりの「被害者」への愛惜がストーリーを引っ張って行く。都市伝説を背景に少年&少女の通過儀礼を横軸にして、ホラー・オブ・ホラー描写を全開にして描く。途轍もなく怖くて面白い。

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⑨SING シング:を観てどうして【モアナと伝説の海】にのれなかったのかわかった。モアナにしてもマウイにしてもポリティカリ・コレクト過ぎるからだ。一方コアラやネズミは全然ポリティカリにコレクトじゃない分、キャラクタとして魅力があるから。

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⑩プラネタリウム:が凄いのは「映画を何故撮るのか」という問いに「人は叶えられなかった夢を心のどこかで悔いているから」と答えている映画だからです。それはすなわち私たち観客にとっては「映画を何故見るのか」という問い掛けへの答えでもあるのです

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