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2018 eiga ベスト10

①へレディタリー 継承:ホラー映画ファンからラストの展開が肩透かしというコメントが見受けられます。でもそれはホラー映画に対して免疫がある証拠だと思います。中盤のあの展開から王道のホラー映画に着地してくれて良かったとすら思います。だから免疫がない人には絶対にオススメ出来ません。

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②ボヘミアン・ラプソディ:スタイルの好みですが好きなのは「底」が描かれている映画。要するに主人公がドン底に落ちている状態がはっきりわかる映画。そのシーンはだいたい雨が降っていたりします。【ボヘミアン・ラプソディ】にもそんなシーンがあります。そのシーンの抜けに流れてくるあの名曲がフレディの心境を表しています。

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③ア・ゴースト・ストーリー:ゴーストの視点という座標軸が加わるだけで、映画が立体的に構築されるのをまざまざと見せつけられたあのキッチンのシーンに驚嘆しました。これこそ映画の奇跡です。ただ後半の展開はちょっと欲張り過ぎな気がします。

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④ウィンド・リバー:真冬の映画。作りとしては極めてオーソドックスでありながら、各シークエンスの衝撃度がとても強く、ストーリーの悲しみが深いので脳と心にちょっと想像していなかったくらいのダメージを食らいました。そして雪の景色が絶望的に美しい映画。凄いの一言。

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⑤レディ・プレイヤー1:画面の圧倒的な明るさとそれによるディテールへの高い解像度、それから画面全体の広がりを実感できる事がわかりました。スクリーンの大きさに頼るのではなくて映画の奥行きを自然に感じさせる上映形式。メカゴジラとガンダムのシーンの迫力には惚れ惚れ。

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⑥万引き家族:間違いなく是枝裕和監督の最高作でした。もともと子供の目線から描いた作品には定評がある監督ですが、今作はそれに大人の物語を絶妙に織り交ぜて、とても深い問題提起を投げかけています。日本映画史においても【家族ゲーム】以来の傑作だと思います。

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⑦1987、ある闘いの真実:あの新聞が届いてからのヨニを追いかけていくカメラ…なんというショット。これはグーグル時代における最良の映画表現。個人の感情が歴史のうねりに昇華するこんな瞬間を目にすることが出来て映画的幸福と現実世界への憤りとがないまぜになりました。

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⑧スリー・ビルボード:料理に例えると、アメリカ中西部の田舎料理なのに食べてみたら、どのミシュランスターレストランでも味わった事のない抜群の調理方法、絶妙な味のミルフィーユのように重層的な印象が深く心に残る映画。映画の女神さまが宿っていると思います。

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⑨フロリダ・プロジェクト真夏の魔法:安モーテルを原色に塗りたくるしかない貧しさの街にかかる虹のなんと美しいことか。お話は【泥の河】なのにムーニーの屈託のない笑顔をずっと見ていたくなる。こんな気持ちにさせてくれる映画はそうない。本当に美しい、そして素晴らしい。

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⑩マイ・プレシャス・リスト:アメリカ版【勝手にふるえてろ】。サンクスギビングからクリスマスそしてニューイヤー、家族の事を考えてしまう時期というのがまた憎い。

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