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FELLINI SATYRICON / サテリコン(1970年9月12日劇場公開)

第12回京都ヒストリカ国際映画祭で上映された『サテリコン』。

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「始まりがなかったり、終わりがなかったりする不完全なエピソードや、その間の空白状態のエピソードを通して、」とフェリーニが語ったペトロニウスの『サテュリコン』のフリー・アダプテーションです。

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『フェリーニ-サテリコン』というタイトルなのは別のプロデューサーが「サテリコン」のタイトルの権利を持っていたからです。

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1970年はサイケデリックの時代の真只中。荻昌弘の言葉が大時代的。

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このポスターは混沌を極めていますね。

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一方、アートポスターになると1点強調のわかりやすいポスターになります。

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このポスターもどんな映画かをシンプルに伝えています。「ローマ、紀元前、フェリーニ後」。

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抽出するとこんなにシンプルになります。それだけ耽美、退廃、肉林のベールを幾重にもまとった芸術映画。

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2019年に発売されたブルーレイのジャケットが、ようやくこの映画を時代劇として冷静にパッケージ出来たことを表しています、そしてフェリーニ生誕100年の2020年京都ヒストリカ国際映画祭で上映と、そういう流れなんだと思います。

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「動かない、固定された絵画のような映画だ。トラベリングもカメラの運動もない。完全に見つめるだけの、夢に似た映画。催眠術にかかって見る映画だ。(中略)僕が象形的な意味でやりたいのは、ポンペイとサイケデリック、ビザンツ美術とポップ、モンドリアンやクレーと原始芸術の混成であり、マグマのような映像の解放だ。」とフェリーニが語った通りの映画。

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*文中のフェリーニの言葉は「ガリマール新評伝シリーズ世界の傑物4 フェリーニ」ベニート・メルリーノ著、山口俊洋訳から引用しました。 

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