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BENEDETTA / ベネデッタ(2023年2月17日劇場公開)

久々のポール・ヴァーホーベン監督作品。やっぱり面白かった。

17世紀、イタリアのペシアに実在したベネデッタ・カルリーニをヴィルジニー・エフィラが演じています。絶対どこかの映画評論家が体当たりの演技って紹介しそうですが、体当たらない演技ってあり得ないと思います。

修道院の院長にシャーロット・ランプリング、これまた彼女が出演してるだけで映画が引き締まるとか誰かが言いそう。本作での彼女はいわばヒール役です。ある悲劇をきっかけに感情にドライブがかかります、スリリングな演技を見せてくれています。

ダフネ・パタキアが演じるバルトロメアによってベネデッタが個人的には救われますが、社会的に大変な状況に陥ります。彼女もいいですよ。

ペストの流行が背景にあるので、今の時代と重ね合わせてみる意義があるとかも言われそうです。

この映画、現代性を指摘することはいくらでもできると思うんですが、やはり17世紀のイタリア社会について知ることで興味が増してくると思います。その点でオランダ人監督が撮ったフランス語の映画だったのはちょっと残念です。

ベネデッタの半生をこうやってみてくると、キリスト教的な物語と聖痕信仰という観点から大変興味深い研究対象でしょう。かといって映画に小難しい話は必要ないのである意味下世話な本作の魅力をただ味わえばいいと思います。

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