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流浪地球 THE WANDERING EARTH / 流転の地球(2019年4月30日配信公開)

中国での映画興収歴代3位(760億円)の超大作。ネットフリックスで配信されています。

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日本では「2019東京・中国映画週間」で上映されましたが、一般劇場での公開はありませんでした。

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原作は劉慈欣が書いた短編『さまよえる地球』。太陽が異常をきたすというのは同じ作者の『三体』と共通点があります。太陽系から地球を離脱させる方法は世界各地に地球エンジンを一万基作って2500年かけて別の恒星系の惑星として地球を移動させるというもの。壮大過ぎるにも程がある設定。

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地球エンジンは青い光を放って地面をぐいぐい押します。果たしてそんな装置で太陽系の引力から逃れることが可能なのかわかりませんが、SFの可能性としては大いにアリですね。

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主人公のフーコウ(屈楚蕭)という見習い整備工の少年と

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フーコウの妹のドゥオドゥオ(趙今麦)が地下生活から抜け出して地上へ遊びに行くところから始まります。

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太陽系から離脱するわけなので地上はマイナス84度の世界です。人々は地下世界で暮らしているというのはロジカルです。実は離脱の前に地球の自転を止めたので大津波が生じて地球の半分は海面下に沈み、その後凍りついています。

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宇宙物理学的に実は結構ちゃんと組み立てた理論に基づいての太陽系離脱物語を実写でやってしまう中国映画の資本力には圧倒されます。人間模様は相変わらずの家族間の確執を感動のネタにするいつものパターンです。特に親子の確執から和解に中国人はドラマを感じるようです。

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国際ステーションが地球を先導して宇宙空間を地球が旅をします。宇宙戦艦ヤマトをちょっと思い出します。

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1962年の日本映画『妖星ゴラス』と似たような設定とも言われています。日本も60年代にはSF映画を沢山製作していました。

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このような映画が製作される背景として、地球滅亡への危機意識が特に近年の環境問題への関心の高まりから生じているのは明らかです。そこに巨大な中国資本が投下されてエンターテインメント映画にするというのはハリウッド映画のオハコでした。プレイヤーが変わったことがはっきりとわかる映画です。




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