シネマティック・ディスタンス / あるラジオDJの考察
「CIAO765」のDJ野村雅夫さんが今日火曜日の恒例映画コーナー「Ciao Cinema」で取り上げたのは【蜜蜂と遠雷】。
このDJカット版短評(ラジオで放送した内容よリ濃い映画短評)でもメンションがありますが、「原作との適切な距離を保った、原作に引っ張られすぎない映画独自の表現を追求するものがシネマティック・ディスタンス」だと述べています。
なるほど、映画と原作の関係性について、映画はある程度の距離を置くべきと言う意見には賛成です。
世界中で最もその原作が映画化されているスティーブン・キングの例を見るとシネマティック・ディスタンスを意識することは映画作家には必要ですね。
全く意識しないで【シャイニング】のような傑作が生まれる事もありますが、これに対し、スチーブン・キングがどう反応したか皆さんよくご存知の通り。
一方【ミスト】のように、原作とは違う結末にしながら、映画としても高評価で原作者からも賛辞を送られる幸せな関係性の映画もあります。
良識ある観客としては、原作を引き合いに出しての映画の評価はなるべくしないように心がけています。