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THE PUBLIC / パブリック 図書館の奇跡(2020年7月17日劇場公開)

エミリオ・エステベス監督作品は『星の旅人たち』以来です。本作の映画・文学・音楽に対する深遠なアプローチに感動しました。

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公共図書館が主役とも言えるこの群像劇の佇まいが、社会的良識が勝利する往年のハリウッド映画に似ているのです。

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午前9時の開館と同時に、駆け込んでくるホームレス達が真っ先に向かうのがバスルームだったりと、ユーモラスな描写を導入にしているのもいいです。

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ライブラリアン・スチュアート・グッドソンのミドルエイジクライシスを小出しにすることで物語への説得力を高めていく構成が素晴らしいと思います。

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このピザのシーンとか、さりげなく彼の人となりをわからせるストーリーテリングセンスも大したものです。

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途中、「怒りの葡萄」のこの一節が出てきます:“In the souls of the people, the grapes of wrath are filling and growing heavy, growing heavy for the vintage”

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「怒りの葡萄」の図書館からの除去運動がきっかけで、図書館の権利宣言(Library’s Bill of Rights)が生まれたことも大切なフックです。

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社会的に意義のある映画的なアクションが描かれています。正に「The Public」というタイトルを冠するに相応しい映画。


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