ベルギービザ取得までの流れを証明書のスキャンデータ付きで解説/Annex 46

はじめまして

私は日本企業に就労しながら、会社の出資によってベルギーのKUルーベン大学に留学しました。

そのときのビザ取得過程が煩雑で、調べても情報不足だったため、同じような境遇の方向けに情報を整理しました。ビザ手続きのコンサルのような会社もあるようですが、高額なようなので手ごろな価格で詳細な情報を公開し、みなさんの時間をより有効に活用して頂きたいと思っています。

この記事にたどり着いた方はベルギー大使館へ問い合わせなども行ったことがあると思います。ベルギー大使館への問い合わせで問題が解決しましたか?
おそらく、答えは「No」ですよね。というよりも、問い合わせの回答により、より不明瞭になったのではないでしょうか?
そのような方には是非こちらの記事が助けになると幸いです。


大まかな流れ

・Annex 46に必要な書類を集める
・Annex 46を留学先に発行してもらう
・ベルギー大使館でVOWの申請書を作成・提出する

まず、留学先の大学に「Annex 46」という書類を発行してもらいます。そのために、後述の証明書を集める必要があります。(これを取得するまでが非常に大変)

そして「Annex 46」が届いたら、ベルギー大使館に行くため下記サイトで予約をします。また、下記サイトで「VOW(Visa on web)の申請書」という書類を作成します。

https://japan.diplomatie.belgium.be/en/travel-to-belgium/visa


予約日に大使館に下記の5点を提出します。
 1. VOWの申請書 2部(2部とも写真が必要)
 2. "1"と同じ写真1枚 ("1"と"2"で計3枚の写真が必要)
 3. パスポート&そのコピー 
 4. Annex46
 5. 住民票&そのコピー

(2020年以降では大使館での指紋採取は任意になりました。)

申請日にベルギー大使館にパスポートを提出し、3日間程度で返送されます。私は関西在住で、受取のために東京の大使館に行くことが難しかったため、レターパック500で返送してもらいました。(このレターパック500は自身で購入し、申請時に窓口に提出する)

ここからは余談ですが、ベルギービザは入国のために必要であり、ベルギーに就労・滞在するための許可証ではありません。なので、ベルギービザの取得が大変という表現よりも、「Single permit」取得が大変という表現の方が的を得ています。

Annex46の発行が遅れて、Annex46に記載の滞在開始日よりもベルギービザの滞在開始日が遅くなっても問題ありません。しかし、滞在完了日は同一にする必要があります。

日本のパスポートでは3カ月間の滞在が認められていますが、ビザなし日本人がベルギーで「Single permit」を申請して、申請期間が3カ月以上かかることが想定されます。その場合、一時帰国する必要があります。パスポートのみでは一時帰国してしまうと、帰国後3カ月以上はベルギーに渡航できません。そのため、かなりのリスクがあり、日本でビザを取得してからベルギーで「Single permit」の申請をさせている、というのが背景があるようです。

余談:「Annex46」と「Single permit」の関係

「Annex46」について説明する前に、「Single permit」について説明します。「Single permit(シングル・パーミット)」とは2019年1月から開始された制度で、滞在許可証と就労許可証を一体で運用する制度自体を指します。

この制度自体を「Single permit」と呼ぶはずですが、他の方のブログでは「Annex46」=「Single permit」と混同している方もいます。

「Single permit」の流れは、留学先に「Annex46」の手続きをしてもらい、ベルギー機関から「Annex46」が発行されたら、ベルギー大使館でベルギービザを取得し、ベルギーに入国します。入国後、ベルギー国内の役所でIDカードを発行して貰います。

Annex46の手続きの流れ

前記のとおり、留学先に「Annex46」の手続きをしてもらいますが、その手続きに必要な書類は各自で集める必要があります。

私の留学先のKUルーベン大学では、下記リストの書類が必要と言われました。
 ①パスポート(のコピー)
 ②健康診断書
 ③ベルギー国内での医療保険の証明書
 ④無犯罪証明書
 ⑤博士/修士の卒業証明書
 ⑥⑦就労証明と滞在期間中の賃金について(1枚の証明書として良い)
 ⑧日白社会保険協定 厚生年金保険 適用証明書
 ⑨研究内容の説明文書
 ⑩支払い証明書


上記リストのうちで会社に発行してもらう書類は下記です。
【会社が用意する書類】
 ③ベルギー国内での医療保険の証明書
 ⑥⑦就労証明と滞在期間中の賃金について
 ⑧日白社会保険協定 厚生年金保険 適用証明書

【自分で用意する書類】
 ①パスポート(のコピー)
 ②健康診断書
 ④無犯罪証明書
 ⑤博士/修士の卒業証明書
 ⑨研究内容の説明文書
 ⑩支払い証明書

補足情報としてKUルーベン大学から送られてきた情報を下記に添付します。

スクリーンショット 2022-02-13 002120
スクリーンショット 2022-02-13 002145

①パスポートのコピー

あえて、記載する必要はないと思いますが、下記にイメージ図を添付します。

スクリーンショット 2022-02-12 235612

②健康診断書

健康診断書は下図のような書類です。なお、健康診断書の書式はベルギーの雇用主を通じて、ベルギーの管轄地域政府からあらかじめ入手する必要があります。

この健康診断書は「聖路加国際病院」で取得することが望ましいです。ただし、「聖路加国際病院」での受診が難しい場合は、日本赤十字病院での受診することが可能です。

聖路加国際病院:東京都中央区明石町9-1
日本赤十字病院:全国の各地方にある(費用:2万円程度)

「聖路加国際病院」で取得した健康診断書は、後述のアポスティーユを受ける必要がありません。一方、「日本赤十字病院」で取得したものはアポスティーユを受ける必要があります。なお、「独立法人化されていない公立病院」でも健康診断書を発行して頂けるようで、その場合もアポスティーユを受ける必要があります。ただし、「独立法人化されていない公立病院」での受診は推奨されていないようです。

ちなみに私は神戸赤十字病院で診断し、診断後1週間程度で発行され、レターパックで返送してもらえました。(レターパックは持参する必要あり)

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