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♯3 嬰的、服に詳しくなる方法

お店にて接客をしていて、お客さんから、「なぜそんなに服に詳しいんですか」というご質問をいただくことが、しばしばあります。

その際、すべてを説明すると、1時間はしゃべり続けてしまうと思い、「職業柄、当たり前のことですよ」という回答をしております。

ですが、そういったやりとりが5回ほどあり、私の「語りたい」という欲求を抑えられなくなってしまったため、今回は、「私なりの服に詳しくなる方法」を少しばかりお伝えできればと思います。


「デザイナーを知る」

服が作られる現場において、大抵の場合、
「デザイナー」
という方がいらっしゃいます。川久保玲やエディ、ラフといった異端児はさておき、ファッションの学校で、服のデザインを専門に学ばれた方が、そういった職業に就かれ、服をデザインし、最終的に、我々、消費者のもとに届けられます。

ユニクロやGUといったファストファッションの服にも、セレクトショップのオリジナルの服にも、デザイナーがおり、我々が袖を通す服のほぼ全ては、誰かがデザインをしたものになっています。

それは、ハイブランドの服も例外でなく、ハイブランドにおいては、デザインの効いた、かっこいい服を作り出すため、実績のある有名デザイナーを何億、何十億と掛け、雇っています。(ハイブランドが高い理由は、ここにもあります。)

そんな、服作りの不可欠要素である「デザイナー」を知ると、服の世界が開けてくる、そう個人的に思っています。

そう考える理由は4つあり、

デザイナーを知ることで、服作りやデザインに込められた意図や思いを合わせて知れ、そのデザイナーとそのクリエイションに敬意や好感を抱けるようになるため。

有名なデザイナーというものは、様々なブランドを渡り歩いていたり、ブランドを掛け持ちしているようなことが珍しくなく、様々なブランドを知ることができるため。

デザイナーを知ることで、服作りというものの流れに触れられる機会ができ、生地や縫製、パターンなどの、ニッチな知識への足掛かりとなるため。

デザイナーやブランドを知っていくことで、それらの動向を知るために、コレクションやファッション業界のニュースに気を配れるようになるため。

こう言った理由から、デザイナーを知ることによって、服への解像度がより一層上がると、私は考えています。


デザイナーを知るために


デザイナーを知る利点はわかった。では、どう知っていけばいいかを教えてくれ。
そんな声が、聞こえた気がしますので、私なりの方法を最後にご紹介できればと思います。

『「自分の好きなブランド+デザイナー」 

で検索する』

たったのこれだけです。
スマホとネット環境があれば、数秒でできてしまいます。

検索をした後、VOGUEfashionsnap.comといったサイトで、そのデザイナーやブランドの説明を読んでいただければと思います。
そしてそこに出てきたブランドや、歴任のデザイナー、知らない言葉に、さらに検索をかけ、それを連鎖させていく。
他にも、デザイナーの名前を検索して、出てきたインタビュー記事などを読んでみるのも、面白いです。

この手順を何度も繰り返すだけで、服にどんどんと詳しくなっていきます。

これを一度だけでなく、気になった服やブランドがあったら、その都度検索をかけ、連鎖させていけば、知らない間に、知識がストックされ、知らない間に、服バカの仲間入りです。

注意点としては、没頭をしすぎると、簡単に夜が明けてしまうので、時間や予定に余裕がある時にしていただければと思います。
私は、このやり過ぎで体調を崩したことや学校の授業を寝過ごしてしまったことが多々ございます。

また、調べるブランドは、ハイブランドであると、検索の連鎖が起きやすいので、その点にも留意いただければと思います。

(もし何も思い浮かばないという方は、Dries Van Notenと調べていただき、アントワープの6人を暗記するところから始めてみてください。)

この苦行を通し、服の世界を面白いと思っていただける方が1人でも増えればと思い、今回はこれまでとさせていただきます。

夏の勢いが最高潮になり、夏のコーディネートが楽しい季節になってまいりました。ぜひ暑さに気をつけながら、ファッションをお楽しみください。

ではまた。

古着屋嬰
ナカガワ

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