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Positive non resistance(積極的無抵抗)

この言葉は、私が所属するマスターズ陸上チームの顧問を務めて頂いている高野進先生(陸上男子400メートル前日本記録保持者)から、以前、お聞きした言葉です。

当時、若くして、日本陸連の強化委員長に抜擢された高野先生が、ご自身の心境を語った際、お話頂いたと記憶しています。確か、著書にも記されていたと思います。

それ以来、『Positive non resistance(積極的無抵抗)』は、私の処世訓の一つになりました。

人生においては、思いもかけない出会いや頼まれごとがあるもの。その様々な機会をチャンスと捉え、先ずは、積極的に受け入れてみること。

そして、その後は、ある種、流れに身を任せて、与えられた環境に抗わず、粛々と物事に邁進すること。

そんな立ち振る舞いが肝要であることを、この言葉は教えてくれると、私なりに理解しています。

それは、学校時代からの私自身の経歴と重なります。

私は、小学校1年生から大学卒業まで毎年、何かしらの集団を率いる役割を担っていました。級長・学級委員と呼ばれるクラスの代表、児童会・生徒会の副会長、高校陸上部のキャプテン、大学のゼミ委員長等々を歴任しましたが、その全てが、立候補ではなく、選挙や担任の先生からの指名で、就任することになりました。

上記の役回りは、総じて、人の世話を焼く、気苦労の多い立場でしたが、自分としては、選んでくれた人たちの期待に応えようと、『積極的に』その機会を受け入れていました。

そして、在任中は、何かに強い拘りを持って、強行突破するようなスタイルではなく、その時々の状況に合わせて、しなやかに物事を進めようとしていたと記憶しています。

その行動は、まさに『Positive non resistance』を実践していたのだと、今、振り返ってみて、しみじみと感じています。

また、社会人になってからのキャリア形成も、『積極的無抵抗』の姿勢を貫いて来ました。

前々職の34年間の会社員生活で、計5回の自発的社内転職を重ねて来ましたが、どの職場においても、積極的な姿勢を前提にしながら、その最中は、各職場の文化ややり方に身を委ねていくことを心掛けて来ました。

その結果、各々の場面で、貴重な人たちとの出会いに恵まれ、より豊かな会社員生活を送れて来たと実感しています。

新しい環境に飛び込んだり、ある集団のリーダーになった際、関係者の人たちは、その人に対し、積極性が内在しているかを見ているのではと思います。

更には、その人に、その集団に溶け込もうという素直さや寛容性があるかどうかも、じっくりと品定めしているとも言えます。

よって、そのような関係者の見立てにしっかりと応えていく上で、『Positive non resistance(積極的無抵抗)』の姿勢は、とても重要だと思うのです。

昨年、56〜57歳という年齢で、2回のシニア転職を経験しましたが、今の新たな仕事においても、積極性と寛容性を大切にしたいと考えています。

その意味で、これまでにも増して、『Positive non resistance(積極的無抵抗)』の姿勢を大切にしていくつもりです。

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