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『ぐりとぐらのおきゃくさま』英訳版

『ぐりとぐらのおきゃくさま』は買い替えてもう何代目にもなるのだが、それでもすぐに表紙が変色してしまった画像をアップするには忍びなく、絵本棚の展示にはうちで日の目を浴びることのなかった英訳版を活用してきた。

📗中川李枝子 原話、山脇百合子 絵 A Surprise Visitor (ラボ教育センター、1999年)
📗福音館書店編集部『ぐりとぐらのてづくりブック』(福音館書店、2013年)より

今は幼少期から英語の学習を始めるお子さんも多いから、英訳絵本に対する需要も増えているのではないだろうか。

"Whew . . . it was a long way."
"Yes, it was a long walk.  I'm a little tired."
"Say, look  at the snowman, Gura!"
  I think I know him."
"Me too, Guri.
  His hat looks like my pail."
"Yes, it is!   I'm sure I know him."
"Hey, look at the house, Guri!"
"Hey!"
"Hey . . . this is our house!"

Cited from A Surprise Visitor

初歩的な英文法がかなり網羅されている上に、ぐりとぐらは相手の言ったことを反復するから良いテキストだと思う。

"Is there anyone in our bedroom?"
"No, no one.
  Gee . . . where is our visitor?"
"Yes.  Where is our visitor?"
"Is there anyone in our bathroom?"
"No, no one."
"Gee . . . he isn't here, either.
  Where is he, Gura?"
"Hmm . . . where is our visitor?"

Cited from A Surprise Visitor

価格が割高なのが難点だが、朗読CDと英語・日本語対応ガイドが付いているので使いこなせたらお得になるはず。朗読は音楽付きで、英語と日本語が逐次通訳のように交互に繰り返される。また、CDだけで聞いていても理解できるように、絵本テキストにはない絵の解説が追加されている。そのため1冊分の朗読が30分ほどなので、こどもの集中力がもつかどうか。何回かに分けた上で、聞くだけではなく主体的に参加できるアクティビティと組み合わせるなどすれば大丈夫だとは思うが、個人的には原文テキストの英語朗読版と日本語朗読版に分けてもらったほうが使いやすい気がする。(どうも逐次訳だと受験参考書の付録CDを思い出してしまって……😅)途中、挿入歌も入るのだが、こちらはなぜか日本語だけ。しかもけっこう耳に残るから不思議。「おきゃーくさまはどこだろう?」♬

さてさて、将来こどもたちが親になったとして、この絵本を活用してくれるかどうか? ーー "God only knows"  「神のみぞ知る」ですね😉