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挑戦を受け入れる環境づくりが大切『ほら、ぼくペンギンだよ』

本日はウクライナのキエフ生まれの絵本作家バレリー・ゴルバチョフの『ほら、ぼくペンギンだよ』をご紹介したいと思います。
ちなみに僕がバレリー・ゴルバチョフの作品に出会ったのは、
大人になってえほんのがっこうを始めてからです。

『ほら、ぼくペンギンだよ』
バレリー・ゴルバチョフ/まえざわあきえ/ひさかたチャイルド

お父さんに寝る前にペンギンの本を読んでもらったカメくん。
その夜の夢のなかでは、もうカメくんはすっかりペンギンになっていました。
とっても楽しい夢のなか、朝起きてもずっとペンギンでいられたらどれだけ幸せなのでしょう・・・。

本で出会った新しい動物。
その動物の暮らしを見ていると、自分もその仲間に入りたくなってきますよね。
子どもの頃に、誰しもカメくんと同じような経験をしたことがあるかと思います。
夢のなかでの幸せな経験を現実世界でも延長して楽しみたい。
おじいちゃんの背広をかぶったカメくんの姿はすっかりペンギンに変身していました。

憧れの対象を見つけたとき、どうすればその存在に近づくことができるのでしょうか。
その答えは、カメくんのように真似をしてみることです。
憧れの動物になりきって、同じように行動してみる。
すると、その動物に関する新しい発見や、面白い事実に出会えます。
この考え方は子どもの時だけでなく、大人になった今でも同じことが言えるでしょう。
なりたい姿を見つけたら真似をしてみる。
絵本の登場人物は大人にも進むべき道を示してくれます。

そして、この絵本の良いところは、
カメくんの周りの人々が作り出す雰囲気です。
ペンギンになりきっているカメくんを見て、両親や学校の友だちは、
「何をしているの?」と問いかけます。
その問いかけは決して否定ではなく、興味としての問いかけです。
疑問に感じながらも、カメくんが何をしたいのか真剣に耳を傾けています。
その受け入れの環境があることで、カメくんはペンギンになりきることができます。

大人になり、環境づくりが本当に重要であることを感じました。
受け入れてくれる環境があるからこそ、挑戦ができます。
カメくんの挑戦は周りの子どもたちにも良い影響を与えています。
一人の挑戦が周囲を動かす。
まさにその瞬間を見ることができたように思えます。
絵本は子どものもの・・・と思って読むと、
この新しい発見はなかったことでしょう。
大人になった今だからこそ分かること、刺さること、
絵本を読んでいるとそんなシーンに多く出会うことができます。
絵本の中の個性豊かな登場人物たちは読者である僕たちに、
新しい気付きを与えてくれるありがたい存在ですね。

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