ブックカルテについて📖そしてどんな店でありたいか

(2021年10月に書いたnoteです)

スタートして1年、少しずつ 本当に少しずつですが本を見てくださるお客様も増えてきて、5月は色々と機会に恵まれたこともあり、売上も伸びてきた!と実感できた月でした。
正直これまでは利益を出すというような状況にはなく、ただ自分の中で無理をしない範囲での持ち出しで(それこそ趣味を楽しむ出費のようなものですね)やってきたのが、ようやく「商売」として一歩踏み出せるのかな、と手応えを感じた月でした。
ところが、6月に入りピタリ!
本当に不思議なくらい…
そんな沈みがちの気分の中、ブックカルテからの申し込みを立て続けに数件いただき、選書する喜びという新たな本屋さんのやり甲斐に目覚めました!
ブックカルテは、書店向けWeb商談会でお声かけいただき、申し込みがあれば良いなというくらいの気持ちで登録した1万円選書サービスのシステムです。
6月は、ブックカルテのおかげで売上面でも助かりましたし、心も折れずに視野を広げる良い機会になりました。

元々、街の中で気軽に本と親しめる場を増やしたい!という想いで始めて、それは変わりありません。
でも、数ある中から私の選書を希望してくれたことへの嬉しさ ありがたさや、カルテを見て 喜んでもらえるように考えて選書するということがとても幸せに感じられ、実店舗だけでなく、新たに大切にしていきたい「本を手渡していく形」のひとつに出会えたと感じます。
これまでも発送は承っていて、もっと手軽に入手できるかもしれないのにわざわざ当店にご注文をいただけることにはとても感謝を感じていましたが、プラスして選書するということに大きなやり甲斐を感じています。

ここまでは、6月は店売りはダメだったけどブックカルテで新たな形と出会えました!みたいな話のようですが、やはり軸となる実店舗の「店」としてどういう店を目指すのかをよく考えています。
絵本はもちろん子どもに大切なものだと思うのでお子さん連れでも楽しめる店にしたいし(ベビーカーで入りにくいなどスペース的に難点ありですが)もっと幅広い世代に絵本を手に取ってもらいたいということもあります。
みんなウェルカムと漠然と言っていても、お客様に行きたいと思ってもらわなくてはなんの意味もないので、具体的に何かできることはあるか どんな風にしていきたいのかということは常に頭のどこかで考えながら過ごしています。

少し飛びますが
先日、大型ショッピングモールの書店の絵本コーナーで、我が子に売り物の絵本でガッツリ読み聞かせをしているお母さんがいました。
読み終えて「はい!おしまい お片付けしてきて」「よくできたね〜 じゃあまた今度ね」と、慣れた様子で、(今度買おうねではなく、また今度読みに来ようというニュアンス)買わないことが当たり前なんだなと思い知らされ、本を売る立場としてキツイなと感じました。
しかもそんな風に開いて読んじゃったり手先がおぼつかない年頃の子に棚に戻させたりしたらせっかくの新本が傷んで売り物にならなくなってしまいます。うちの店のように買い切りで仕入れている場合は泣くしかないし、返品されれば出版社がかぶるわけで、そもそも売っている物は自分のうちの物ではなく大切に扱うべきで、お子さんに見せる姿勢としても良くはないと感じます。

本を見に来てくれるのは大歓迎だし、その時にたとえ買わなくてもその絵本と出逢ってもらうことができれば嬉しいとも感じます。
でも、図書館代わりに利用されるのはつらい( ᵕ ᵕ̩̩ ) 
けれど、街の中で気軽に本と親しめる場 ということを目指すならこういうことと向き合っていかなくてはならないのではないか、その覚悟はある?と自問自答すると気持ちは萎れてきてしまうのです。
そのお母さんは全然悪気がないからそうしているわけで、注意とかされたら嫌な気持ちになるだろうし、できることは意識改革を促すためのPOPくらいでしょうか。幸い当店に来てくださるお客様は皆さんとても大切に本を扱ってくださっていて、1年やっていて1度もお客様の雑な扱いで本を傷めたことがないんです。これって本当に嬉しい幸せなことで、むしろ入荷されてくる本のカバーの傷みに頭を悩ませることが多く、その事についてはnoteに下書きで綴ったりしているので、そのうちアップしようかと思っています。
誰でも気軽に立ち寄って欲しいけれど、望むイメージと両立はなかなか難しいのかもしれません。
親子連れが多いお店の怒りや嘆きのツイートなどをやるせなく拝見していますが、本当お客様が増えるということは悩みも増えるのでしょうね😓

まぁ結局は、そんな心配はお客様で賑わう店になってからすればいいじゃん という話ですよね


けれどうちの店のことはひとまず置いても、

願わくば、本屋の本は「買うためのもの」という意識が誰もの認識の中でもスタンダードになりますように。
皆のものではなくて、買ってくれるあなたと出逢う為にこの棚に置いてあるものなんです。
買って帰ってお家で何度でもゆっくり読んで欲しいですしね📖

とりあえずは長くなり過ぎましたので、またの機会に😊

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