絵本屋さん、スタートからほぼ半年💨

(10月に書いていたnoteです)

4月に棚に絵本を並べ始めて早半年…
文具店が営業している中で、端っこの棚にだんだん運んで並べていったので、はっきりオープン日と言える記念日がないのでした(^^;
一応節目だなぁと自分で感じているこの時期に、振り返って記録しておきたいと久しぶりにnoteに書いてみます。

・蔵書から置き始め、新刊本の仕入先の確保ができるようになるまで

・意識の変化

・絵本って…

棚を使えるよう空にして、まずは古本市(新型コロナで延期になった市内のイベント)に出店する為に準備していた絵本や蔵書から並べていきました。
最初は新刊はあまり置けないかな、と思っていました。仕入れられる所が1つ見つかっていましたが、掛け率と送料の関係で数ヶ月に1度まとめてという利用が現実的で、コンスタントに仕入れることは難しいと考えていました。
店をやるなら是非置きたいと思っていた絵本作家さんの作品は勇気を出してご本人に聞いてみようと決めていて、あとは少部数でも直接販売してもらえる出版社さんを探していくこと。
棚のスペースと経済的な体力もわずかなので、それが身の丈に合うやり方だと感じました。

具体的には
まず原画展にお邪魔して大ファンになり、その後交流できるご縁が生まれた山﨑優子さんに
「ポンポロッコの森」というご自分で作られている絵本(絵物語)のシリーズを置かせてもらうことは可能かどうか相談をしてみました。
原画展や一部のお店でしか入手できないのですが、たくさんの方に知ってもらいたいと思う本で、是非お願いしたいと思っていたので。
山﨑優子さんから快諾いただき、さらに好きな場面の絵でポストカードを作ってくださることになったり、山﨑優子さんの他の絵本も仕入れられるよう出版社さんをご紹介くださったり、本当にありがたく次の勇気をもらえる第一歩になりました。

もう1人、子ども達を夢中にさせてくれる絵本を作られている きたじまごうきさんの絵本も置きたいと思っていました。
長年通っている小学校での読み聞かせや、自分のやっている学習教室の教室図書でも大人気ですが、出版されて何年か経つので市内のお店では並んでいなかったからです。
やはりイベントや原画展でお会いできていた事やTwitterでの繋がりが、サイン本を置かせてもらえるご縁となりました。

そして、Twitterでのやり取りがあったきじとら出版さん
イベント参加のご縁をつてに小さい書房さん
是非置きたいと思う絵本を出版されていて、且つ少しでもどんな方か知っていて何かしらの繋がりがあったので、思い切って少部数の直販は可能か問い合わせてみました。
結果、直販の条件も少部数でも可能との事で、さらに子どもの文化普及協会という仕入先を教えていただく事ができました。
この仕入先を得たことで、新刊本の入荷がぐんと身近になりました。
そして、子どもの文化普及協会では取り扱いがない出版社さんへも直販してもらえるかメールなどで問い合わせることも少しずつ慣れてきました。

こうして仕入れのルートが確保できたのですが、今度は新刊情報等を積極的に得たいと思うようになりました。

そんな折、Twitterで「書店向けWeb商談会」というものを目にしました。
見るだけでもOK! との事で、興味がむくむく湧いてきたのですが、何せ「書店向け」
一般の本屋さんではないし、こんな棚だけでやっていて、登録できるのかな?
と心配でしたが、とりあえずチャレンジしたら、登録できちゃいました!
でも、何となくズルしているような気持ちがして、ちゃんとした書店ではないのに本当にいいのかな?と思いながら、ありがたく新刊情報のチラシなど見せてもらっていました。
そうしていると会期中に、直接出版社さんから商談会のお誘いのメールをいただき、こんな小さな棚ですが良いでしょうか? とWeb商談会にも参加させてもらう運びとなりました!
本当にこんな1冊や2冊の相手に貴重な時間をもらって大丈夫なのかと気後れしていたのですが、皆さんそんなことは気にしなくていいと仰ってくださって、なにより素敵な絵本を紹介してもらえる時間はとても充実していて、出版社の方々のとにかく本を読者に届けたい!という熱い想いを感じて、私も小さいとか気にするより1冊1冊手渡していくことに気持ちを向けよう!と大きく意識が変わりました。せっかく手渡していける立場にいるのだから、そこを一生懸命やる事が大切だと実感できました。

この商談会の中で、ビーナイスさんの「くままでのおさらい」という絵本に出逢いました。元々「ウラオモテヤマネコ」など井上奈奈さんの絵本のファンではあったのですが、ビーナイスさんが商談会の前に丁寧に資料を準備してくださったので、予め目を通して印刷製本の過程を知ることができました。絵やテキストだけでない本そのものの価値に深く感銘を受け、こういう本を届けたい!と強く感じました。

スタートから3ヶ月ほど経ったその頃、どういう本を置いていきたいのだろう?
という事を考えるようになりました。
当初は蔵書からの割合が多かったのですが、新刊本を扱えるようになり、一体どういう店を目指していくのか、自分の中で明確に掴めていないなぁと感じていて…
限りあるスペースでやみくもに良いと思う本を並べていくのは果たしてどうなのか?
そんな時、Twitterで繋がって色々学びをいただいている先輩 はるの文庫さんの言葉からそれが自分の棚だということを言ってもらえて、肩の力が抜けたように感じました。
特にこうあるべきと縛らずに、自分の良いと思うものを置いて、手に取ってもらえたらそれでいいのではないか、と。
もしかしたら、この先そういうものが見えてくるのかもしれないけれど、今はそうやって棚も自分も育っていけたら良いなと思えるようになりました。
ひとつ言えるのは、街の中で気軽に本に親しめる場を増やしたいと思ってはじめた気持ちは核になっているので、老若男女来てくれた人に応えていきたい想いがあって、棚は小さいけれど色々工夫して気軽に寄ってもらえる店にしたいと思っています。

もうひとつ、絵本とは…
という問いを常に心に留めています。
色々な側面を持つ絵本
絵本は子どもの為のものというのが一般の見方のようだけれど、それは全く違うと感じています。(現に子どもをいつの間にか卒業してしまった私の為の本でもあるし)
子どもを読者と考えて作られた絵本は確かにあって、対象年齢が書いてあったりもするけれど。そして、それを否定する気持ちは全くなくて、目安になる場合もあると思います。子どもの成長の糧になることは間違いないことだし。

「本」には色々なものがあって、それは当たり前だし受け入れられているけれど、それに対しその「本」のジャンルのひとつとしての「絵本」も色々なものがあるのだけれど、子ども向けという先入観がとても強いと感じます。その垣根がない方がすんなり受け入れられて、絵本を傍らに心豊かに時を過ごせるかもしれないのに勿体ないなぁと感じるのです。

でもこういうことだけを考えているわけではなくて、絵本を考えることは本当に哲学のような位置にあって、きっとずっと考えていくのだと思います。こんな答えのないことを書き始めて、沼にハマってしまったのでそろそろやめておきます。

うわ(^_^; 長かったですね💦 最後まで読んでくれた人がいるのかしら…もしいらっしゃったら、ありがとうございました(⋆ᵕᴗᵕ⋆)

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