【韓国BL】2023年度決算(レジン・ベルトゥーン)
この記事からわかること
BOMTOON、Lezhinの親会社Kidari Studio(キダリスタジオ)の2023年度の決算報告
決算報告書からみえる、2024年以降の事業戦略
👇Google Translation(구글 번역)
Can be translated into your language.(당신의 언어로 번역할 수 있습니다)
そもそもLezhin(レジン)とは?
レジンコミックス(英:Lezhin Comics)は、(株)レジンエンターテイメントで配信する韓国発のウェブトゥーンプラットフォーム。
2012年から法人サービスを韓国で開始し、2015年から日本向けサービスを展開。2021年にKidari Studioに買収されています。
Kidari Studioは韓国市場KOSDAQに上場しており、Lezhinの業績はKidari Studioの決算報告書にて開示されています。
2023年度 決算報告
Kidari Studio IR情報
NAVER証券
海外子会社の業績状況を見てみました。
海外子会社の財務状況
【日本】2022年度はマイナスだった純資産が2023年にはプラスに転じ、当期純利益も上がっています👏
なかの方たちが、作品数を増やして更新し続けたり、さまざまな改善、プロモーション活動など地道な努力と、読者のみなさんが課金を積み重ねた結果が、数字としてきちんとあらわれていると思います!
日本でのボーイズラブの市場規模は約200億円以上といわれているので、これから伸びしろが十分ありそうです。
個人的に気になるのは、DELITOON🇫🇷のマイナスと、本国🇰🇷の当期純利益がかなり下がっていることです。
外貨
表の見方に自信がないですが、資産合計に負債合計が含まれていると思われます。
これを見て、円(現金)を使う大切さをあらためて感じました。
(円のレート、2024年3月現在悪いのですが)
2024年以降の事業戦略
とあるので、オリジナルIP(知的財産)の獲得と、ウェブトゥーンや小説だけでなく、グッズや映像などの二次利用での収益を検討しているようです。
ちなみに、グッズの収益に関して丁寧に説明してくださっている方がいらっしゃいました。
一部を要約します。
あくまで要約なので、ぜひご本人のコメントを読んでいただければ🙇
話が脱線しますが、日本市場のこともよく研究・理解されており、
日本の二次創作界でのグッズ販売はあくまで趣味の範囲にとどめておく。
そうしないと公式グッズの売上に影響を与えてしまうため。
だから、二次創作は同人誌が主流。
いや、さすがです、そうなんです。
ほとんどのファンのかたは趣味の範囲で最小ロットで頒布してらっしゃると思いますが。
あと、証券会社の冷静なレポートが印象的でした。
中国ファンのかたは、検閲のため作品を公式で購入しづらいでしょうし…。
すごく悩ましい問題です。
今後もグローバル展開を強化していくようですが、
ウェブトゥーンを公式サイトで課金して読む文化を根付かせるのが重要だと思います。
なぜなら漫画大国の日本でも、読者に無料から有料に転換させるのに苦心しているからです。
また、作家、スタッフ(内部・外部含む)などステークホルダーの多くは韓国のかたなので、本国の財務状況を健全にするのが大事だと思います。
そのため、グループ会社の銀行出身のホ・フンボム氏が、Kidari Studioの社内取締役として2024年3月26日付で就任。
エンタメ企業と金融出身の食い合わせ、どうでしょうね🤔
作家の労働環境の改善へ
作家の労働環境の改善に韓国政府が取り組みはじめるそうです👏
ここまで見れるの!?
今回いろいろ調べてみて、韓国では企業のさまざまな数字が開示していて、すごいです。たとえば毎月の従業員数の推移。
サステナビリティ(持続可能性)が高い業界へ
オタ活をそれなりにやっていると、事業の財務状況がコンテンツやサービス維持にとても大切だと身に沁みています。急にサービス終了してしまったり🥲
企業のひとつを例にあげてお話しましたが、私は
ファンだけでなく、作家、従業員、外部パートナー含む人たちが、健全な活動が続けられることが大切だと考えています。
そのために、お金がどのようにめぐっているのを知ることが大切なので、自分で分かる範囲ではありますが情報をまとめてみました。
購読させるコツは?
ここからは、対プラットフォーム(特に日本企業)に向けて個人的な感想です。
読者に「顧客満足度アンケート」を作品やサイトごとに聞いてみるのがおすすめです。
「読者がなぜ離脱するのか」の原因を知り、穴を塞ぎ、小さなストレスを減らす。地道な改善を続けることが大事です。
日本人の特性は<協調性>のため、悪いことは表にはあまり出てこないです。だけど如実に数字に跳ね返ってきます。
ですので、レビュー、SNSの口コミも参考にしつつ、購入者の多くはサイレントマジョリティですので、その方々の声も拾っていく。
アンケート結果を開示しなければ、作家を傷つけることはありません。
ちなみに某プラットフォームでは、サービス向上アンケートを実施していました。
マイナスなことはSNSで話題になり<見える化>されやすいですが、
ポジティブなことは<当然>のこととして、あまり見えにくいです。
ですので、一人ひとりの静かな声を丁寧に拾っていく仕組みづくりが大切です。
👇️過去の記事もあわせてどうぞ(2023年10月)
👇️レジンエンターテイメント:会社概要
👇️Webtoon制作の解説動画です
👇️【韓国BL】2023年度決算(RIDI)
参考記事
韓国の「NAVER」や「カカオ」にとって「縦読み漫画(ウェブトゥーン)」は、どれくらいの規模なのか(2024.3.28)
個人作家よりも制作スタジオの力が強い「韓国のウェブトゥーン業界」で「作家」が感じている「不公正行為」(2024.2.29)
クリエイターに過度な負担が…「韓国の縦読み漫画業界」で起きている「意外な現状」(2024.2.29)