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冊子「SOMEDAY」についてのこと

2015年夏の記録から、
2016年7月までに書き下ろした日々をまとめた冊子「SOMEDAY」vol.1が完成しました。


SOMEDAYについてのこと


小学生の頃くらいから、眠る前に文字を書いてから眠るのが癖になった。
誰にも読まれない、自分ですら読み返さないような日記。

東京で一人暮らしを始めてからは、枕の横にはいつもノートとペンがあった。
一日の終わりと始まりにそのノートを開く。個人的な気持ち、一日の予定、日々を振り返ること、いつからか叶えたい願いも付け加えて。

それがずっと続いてきた。

誰にも見せない、
誰のためでもないノート。
今でもベッドの上にはノートとペンがある。


あの夏、
私の人生は急に「まぼろし」になった。見えるもの全ては嘘みたいに思えたし、私に起こる出来事、私の人生そのものが他人事で、過ぎていく毎日も信用ならない、そんな風に思えた。

それから私は、私の毎日を、私の人生を、誰のものでもない、私でも誰かのためでもない、映画のように誰にでも眺めることができて、誰かが覚えていてくれたらいいな、と思った。

私が私の人生を忘れてしまっても、
誰かが覚えていて、私もそれが私の人生だったことを思い出せたらいい。

人生はいつか必ず消えてしまうから、
その時そのまぼろしが存在していたことが残っていたら、私は救われるじゃないだろうか。

そう思って、私は日記を書いた。

私のための記録でも、
誰かに伝えておきたい記録でもない。

毎日がちゃんとここにあったことを残したくなって。



その何もない毎日の記録を綴った一冊が「SOMEDAY vol.1」です。
クリームソーダ日記に記した日常とは違う日記をまとめました。それは、何時に誰と何処で何をした、というような記録でもなくて、自分で自分を考察するようなもの。

本当に何もない。
何かを問いかけるわけでもなく、
生きる意味を見つけたかった私の記録。

何もない日がまぶしく愛おしくなるということを、日記を書いて気づけた気がしています。


エヒラナナエ


SOMEDAY

「SOMEDAY」vol.1
¥1,500(+tax)

7.30-8.13までSUNNY BOY BOOKS
カナイフユキさん個展にて委託販売。

8月以降、書店など順次委託販売予定。
秋には個展と共に展示販売も予定しています。

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