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きょうだい愛が強すぎる“アメカヌちゃん”と、先住猫のそらくん。 3匹の幸せを守る空間づくりと習慣、ペット防災

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左から、カヌレくん、アメリちゃん、そらくん

ぴったり寄り添ったり、抱き合いながら眠ったり。食事や毛づくろいをしては、ポーズが揃ってしまったり。そんな強い絆で結ばれた「アメリ」ちゃんと「カヌレ」くん(ともに2才)の“アメカヌちゃん”きょうだい。そして、2匹をやさしいまなざしで見守る先住猫の「そら」くん(5才)。

愛猫3匹の甘い日常に、飼い主のRieさんが愛情をいっぱい添えるS N S(Instagram:@Riepoyonn  Twitter:@SoraAmeCane)の投稿は、瞬く間に話題となり、今なお、世界中の猫を愛する人たちの心をもとろけさせています。

Rieさんに「3匹はどんな存在?」と尋ねると、返ってきた答えは、「大切な家族であり、お互いの人生を共有するかけがえのない存在」。

「毎日数えきれないほどの笑顔をもらう一方で、幸せにしなくてはならない『責任』があります」と続けます。

猫たちの幸せを守るために、環境づくりや日々の習慣の中で、どんな工夫をしているのでしょうか? お話を聞くうちに、愛に満たされた写真の奥にある「安心のための工夫」や、Rieさんと3匹との間にある「信頼関係」が見えてきました。

変更幸せな午後の過ごし方 サイズ

にいたん大好き2

人と猫、全員が安心して暮らせる空間づくり

Rieさんは、夫と、夫の祖父(93才)との3人暮らし。祖父が猫といっしょに暮らした経験がなかったため、同居を始める前には不安もあったそうです。

「当時すでに迎えていたそらと祖父とが仲よく暮らせなかったら…。私たちが不在時に祖父が外出しようとして、そらを脱走させてしまったら…。と、あれこれ想像し始めると、きりがありませんでした」

そこで考えたのが、「猫と祖父の生活空間を分けること」。引っ越し先の住居では、祖父は1階に、夫婦とそらくんは2階に、居住することに。

猫の生活スペースは、2階のキッチンや洗面所を除く部屋。限られた空間でも、そらくんが思う存分走り回ったり、この先新たに猫を迎えても快適に過ごせるように、もともとあった部屋とリビングとの仕切りをなくしたそうです。

猫トンネル

リビングと寝室の間には、猫用のトンネルを設置

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猫が自分で扉を開けるのを防止するため、取っ手を縦方向に。寝室のドアは、鍵付きのドアに取り替えたそう

「生活スペースからもし廊下に出てしまっても1階に降りないように、階段の上にD I Yでワイヤーのパネルの柵を設置しました。見た目は頼りないですが、効果は絶大です」

こうして猫たちが暮らしやすい環境がしっかり整ってから、アメリちゃんとカヌレくんを迎えることに。

「猫たちにとってより安全な空間をつくってあげることができましたし、みんなが安心して過ごせるので、空間を分けてよかったと家族一同思っています。ときどき祖父にも猫たちを対面させると、すごく嬉しそうにしてくれます」

ワイヤーパネル サイズ変更

1階から階段を上った先にある柵

寸足らずなカーテンも、かえって猫にはよかった!?

猫たちが生活する部屋には、楽しんだり、ゆったりできそうな居場所がいっぱい。

「大きいわけでもない、ふつうの家。だけど、その中でも、できるだけ3匹が快適に感じられる居場所や素材を意識して、部屋づくりをしています」

リビングの壁面に設置したおしゃれな月や星の形の木製キャットウォークは、星のステッカーも組み合わせて「空」のインテリアに。「そら」くんの名前にかけているのだとか。猫たちも楽しそうにのぼったり、まどろんだりと、キャットタワーだけを置いていた頃よりも、運動量が増えたそうです。

月のキャットウォーク1 サイズ変更


穏やかな光が差し込む窓辺も、3匹のお気に入りスポット。ひなたぼっこをしながら、ウキウキした様子で外を眺めます。

「計測を間違えて寸足らずになってしまった採光カーテンですが、結果、下の隙間からでも猫たちが外を眺められて。なかなかいい仕事をしてくれています(笑)。猫たちは、窓の手前にある木や、電線に止まった鳥を見つけて、『カカカカカ!』 『うにゃにゃにゃにゃ!』。興奮する姿が、かわいくて仕方ありません」

窓の外を眺めるそら3

信頼関係を築くのは、うれしい習慣の積み重ね


猫は本来、早朝と夕方に活発になる動物。でも室内飼いの猫の場合、飼い主さんの1日の生活リズムを学習しながら、その暮らしになれていきます。3匹も、Rieさん夫妻の行動をよく見ながら、記憶力のよさを発揮しているそうです。

「夕方に流れる町内放送の音楽が、3匹の晩ごはんの合図。曲が流れ始めると、各々『さぁ、ご飯だっ』と言わんばかりに、大きな伸びとともにお昼寝から覚醒します。それから、ごはんの器を載せる台の前に行って、目を輝かせて待機。でも、困ったことに秋頃から町内放送が1時間早まるんです。音楽が流れてるのに、ごはんが出てこない。そこから数日は、『なんでかなぁ、おかしいなぁ…』と、すごい圧を感じます(笑)」

ご飯美味しいねっ サイズ変更

そんな記憶力のいい3匹だからこそ、「習慣」の積み重ねによって、信頼関係が築かれると、Rieさんは考えているそうです。

まずは、「猫にとってやさしい場所を散りばめていく習慣」。3匹が歩く床をいつもきれいにしたり、猫トイレはきれいにリセット。新鮮なお水は、好きなところで飲めるようにする。

「私の行動のすべてが、この子たちにとっての日常。だから、習慣をちゃんと守ってくれるだろうという期待を、裏切りたくないなぁと思っています。特別なことはなくても、小さな日々の習慣を続けることが、猫たちを幸せにすると信じています」

トイレ横1

容器のふちに飛び散ったオシッコもふきふき

レボリューション春から秋にやるサイズ変更

完全室内飼いでも、春から秋はノミ&マダニの予防薬を滴下。愛猫を守る健康管理も大事です

そしてもう一つは、「猫たちの気持ちに寄り添う習慣」。うれしい、楽しい、落ち着く、おいしい。3匹それぞれの“喜び”を見つけて、コミュニケーションをとります。

目が合ったら、やさしく名前を呼ぶ。

猫のそばを通るとき、3匹それぞれが好きな部位を触る。

3匹のそれぞれ“甘えスイッチ”が入る場所で、甘えさせてあげる。

ベタベタするだけじゃなくて、お互いの時間を楽しめるようにする。

病院の受診や苦手なケアをがんばったら、ごほうびをあげる。

「この子たちが幸せそうにしていると私がうれしいように、猫たちも飼い主の気持ちにとても敏感と感じます。私の気分がいいときになでると、いつもよりうれしそうに喉をゴロゴロ鳴らしてくれる気がするんです。そんなふうに気持ちも共有できるなら、この子たちにたくさんの幸せを感じてもらえるために、私も幸せでいたい。ともに心地よい暮らしを楽しみたいなぁと感じる、今日この頃です」

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3匹との日常を守り続けるための防災対策

台風、大雨、地震と、各地で災害が相次ぐ中、不測の事態が起きたときに3匹を守るための「ペット防災」の意識も高まっていったそう。

「平穏な生活が続くことを心から願っていますが、いざというときに3匹を守ることができるのは自分。災害時も落ち着いて行動できるように、防災関係の記事を読んで勉強しています。慌てん坊なので、しっかりしないといけません!」

2019年10月に発生し、関東・東北地方に甚大な被害をもたらした台風19号。猛威をふるう中、Rieさんは「同行避難(ペットを連れて避難すること)」も覚悟して備えていたそうです。

「わが家は幸いなことに避難に至らなかったのですが、不安な時間は、3匹にハーネスとリードを着用してもらい、(災害時に避難所での生活スペースとなる)ケージや(移動に使う)キャリーケースのそばで、いっしょに待機していました。ハーネスもリードもふだんから練習していたので、いい子でいてくれて。安心したのを覚えています。もしもの時にパニックで離れ離れにならないことを目標にしています」

普段からポータブルケージでリラックスサイズ変更

折り畳んで運ぶことができるポータブルケージ

愛猫用の避難グッズの備え

泌尿器系の疾患にかかったことがある3匹のごはんは、動物病院で購入できる療法食。 Rieさんは、多めに購入してストックしているそうです。理由は、災害時は一般的なキャットフードは支援物資として早めに届いても、特定の病気に対応した療法食は手に入りにくくなるから。最近ではネット通販や一部スーパー等でも療法食が購入できるようになりましたが(与える前に獣医師の指導は必要です)、3匹用の療法食はごく最近までネット販売がなかったタイプなので、通院のたびにストックを購入しているそうです。

猫用の防災セットは避難袋に入れて、人用のものといっしょに収納。ケージだけでなく、トイレも、運びやすい折りたたみ式のものです。ほかにもペット用の救急セット、寒い時期の被災に備えたカイロなどなど。

「とくにカヌレは、腎臓に結石ができやすい体質で、お水をたくさん飲むのが大切な予防方法。3匹分×1週間分は用意しています。なぜかシリンジからお水を飲むのが好きなので予備のシリンジを防災セットに忍ばせたり、水分補給できる個包装のおやつや、動物病院で購入できる投薬補助用のおやつも常備しています」

防災用お水備え2サイズ変更

3匹の病歴や通院の記録は、災害時への備えとしてだけではなく、ふだんの通院にも役立っているとか。

「これまでの検査結果の表、ワクチンや避妊・去勢手術済みの証明書、ペット保険の書類と合わせて、1匹分ずつファイルにまとめています。セカンドピニオンでかかりつけ以外の動物病院へ持っていったら、これまでの経過を伝えるのにとても役立ちました。私にとってお守りみたいな存在です」

健康管理ファイルサイズ変更

日々の暮らしを彩りながら、その日常が続くための対策もする。Rieさんの「なんの心配もない毎日を過ごさせてあげたい」という想いが、S N Sの幸せいっぱいの写真にもつながっています。

「ただただ『ああー幸せだなぁ〜』って、思ってもらいたい。猫たちが隣で、ホカペにとろけて幸せそうに眠る姿を見たりしながら、そう願います」

ホカペの上で サイズ変更

文/本木文恵
写真/すべてRieさん撮影


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