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ティアレミュージックだより・note版

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ライブ前に、内容にまつわる楽しさをお伝えします。 これを読むとライブがさらに楽しい。
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#ライブ

アルバム「麗しき島々」曲解説 5.とっぴぶし

続いても屋久島の唄です。 とっぴぶしは飛魚漁の唄です。屋久島では飛魚漁が盛んでした。 笹子重治さんの提案で、パーカッションの渡辺亮さんに入っていただきました。 笹子さん・渡辺さんのコンビを初めて聴いたのはEPOさんのアルバム「wica」ですが、お二人が初めて顔を合わせたのもwicaだったそうです。 渡辺亮さんの収録の際にはたくさんの民族楽器が並び、スタジオには水の入った大きな器が運び込まれました。 仕上がった音を聞くと、まるで飛魚が跳ねている水面を見るような印象で、 渡辺さん

アルバム「麗しき島々」解説 4.鳥が鳴く(屋久島)

続いては、屋久島の古謡「鳥が鳴く」です。これは、新ラッパ節の系統と言われている曲で、楽譜と歌詞のみ残っていました。 屋久島にはこのような曲がたくさんありまして、私が最初に古謡の聞き取りを行った際も、歌えるお年寄りというのは非常に少なく、今はさらに少なくなっています。と同時に、地元でも唄を再生しようという動きがみられているのは非常に頼もしいです。 そもそも屋久島高校に赴任されていた野呂先生をはじめとする偉大な先人が大量の音源や譜面を残してくださって、後々演奏ができるようにと託し

「麗しき島々」収録曲について 2.喜界島の田植え唄

11月15日リリース予定「麗しき島々 beautiful islands」の2曲目は、喜界島の田植え唄です。 喜界島は奄美群島の一つです。 喜界島には今でも「塩道長浜節」「むちゃ加那」などは大会でも歌われるような有名な曲だけでなく、喜界島固有の唄が何曲もあります(今回はアルバムの中に2曲、喜界島の曲を入れました。もう1曲についても後日ご紹介します)。 この田植え唄、喜界島の唄者、菅沼セツエさんにお会いした時に聞かせていただき、大変感動した曲です。 実は私のシマ唄の姉弟子が