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その眺めは誰のもの?眺望を失うリスクの高いケース、低いケース

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された過去記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

ロジカル不動産

先日最終回を迎えた正直不動産ですが、こちらの解説が間に合っていないので気にせず書きます、第9話で出てきた眺望権の話

眺望の良いマンションは気持ちが良いですよね

購入しようとしたマンション、実は近くで高層マンションが建つ予定があり、買主が期待していた富士山ビューは将来的になくなってしまう。それを知りながら言わずに販売を進めていたミネルヴァ不動産、、という流れ。

眺望権とは?

マンション購入でも戸建てでも、眺望はとても大きな要素です。私もよく語りますが、内装はリノベーション・リフォームでいくらでも変えられたりしますが、眺望、日当たり、通風(そしてそれらを含めた立地)は変えられないので、重視すべし。

その大事な眺望ですが、厳密にはそれは未来永劫変わないものではありません。眼の前、もしくは近くに大規模なマンションが立ったことにより眺望が少なからず変わってしまうということはどのマンションでも起こりえます。

そしてこの眺望というものは、「眺望権」という名前はあるものの、基本的には権利として認められていないものです。日当たりを保証する権利、日照権は失うことによる身体的な被害があり得るのに対して、眺望にはそこまでではないからという見解です。

またもちろん、契約時にはその眺望は未来永劫保証されるものではありませんという記載のある重要事項説明書を作成・説明して契約することが普通ですので、眺望は常に変わる可能性があるという認識のもの物件選びをするのが正しいでしょう。(眺望を売りにしたマンション、また特定の眺望を得るために建設した建物などで、その眺望が(説明もなく)阻害された場合に眺望権が認められたケースも存在しますが基本的には稀です。)

とはいえ、どんなケースに気をつけたらいい?

と、普通はこのまま終わりそうですが、今回はもう一歩踏み込んで、「とはいえ、眺望が悪くなる可能性は下げたいじゃん」と思うのも普通なので、「こういうケースは気をつけろorちょっと安心」というケースも紹介したいと思います。

リスクが低いケース(安心してもいい)

1. 眺望が神社、寺、墓地

2. 傾斜地に沿って建ってる

3. 川沿い

1については、そうだねという感じですが、代々利用されている土地なので、そこに大きな建物が立つ可能性は低いです。もちろん、神社・寺がその土地を手放す(定借で貸し出す可能性も)こともあるので、100%とは言えないですが。

2については、あまり多くはないですが、国分寺崖線など。そもそもその眺望まで建物伸びてこない可能性が高いです。

3については、そもそも川には建物は建ちませんね。当然川の向こうに大きな建物が立つ可能性もありますが、全く眺望が遮られるということにはならないでしょう。

変わるリスクが高いケース

要は眺望の先にマンション開発が起こりやすい場所がこれに該当します。

1. 大通り沿いの区画が眺望先にある

2. 都内などの防火地域エリア(密集して建てられるため、高い建物建つと眺望死ぬ)

3. 周りに高い建物がないのに、そのマンションだけ階数が高い

1については、大通り沿いの区画は建物のサイズを大きく建ててもよい(けんぺい率)というルールが設定されることが多いので、大通り沿いに古い建物がある、駐車場があるなど、開発がしやすい環境になっている場合はさらにリスクが高いと言えるでしょう

2は、そのままですが、都内などのマンションが多く建て並ぶ地域では、密集して建物を建てられるため、このリスクが存在し続けます。

3については、直近で用途地域の改正があった可能性があるということで、その後も周辺に大きな建物が立つ可能性が残されているので、そのような場合はどの地域にどのような用途地域の改正があったのかを確認するのが良いです。

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ということで、住宅購入で大事な要素である眺望ですが、未来永劫変わらないものではないと認識すると同時に、さけられる不運は避けられますので、ここもまた知識をつけてたちむかって行きましょう。

最後に余談ですが、先日Newspicks番組企画でローランドさんMCの番組にて住宅の悩み相談を受けさせてもらいました。

見がし配信はこちらから:https://newspicks.com/movie-series/91?movieId=2157

非常に好評にて、またかつああいう形で中立的な存在の人にまずちょっと相談できるって大事な場だよね(逆に言うと様々な利害関係者にあふれている)と思い、YoutubeLiveで相談会をやってみようかなと思っています。つど告知すると思いますので、興味ある方はTwitterフォローよろしくお願いします。

https://twitter.com/eguri

それではまた。

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された過去記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

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