末廣狩

作詞:三代目 桜田治助 作曲:十代目 杵屋六左衛門  安政元年(1854)三月

描く舞台の松竹も 千代をこめたる彩色の 若緑なる シテとアド 
まかり出でしも恥づかしさうに 声張り上げて 太郎冠者あるか 御前に 念無う早かった 
頼うだ人は今日もまた 恋の奴のお使ひか 返事待つ恋 忍ぶ恋 晴れて扇も名のみにて 
ほんに心も白扇 いつか首尾して青骨の ゆるぐまいとの要の契り 固く締緒の縁結び 
神を頼むの誓ひ事 濡れて色増す花の雨 傘をさすなら春日山 これも花の宴とて 
人が飲みてさすなら 我も飲みてささうよ 花の盃 花傘 
げにもさうよ やよ げにもさうよ げにまこと 
四つの海 今ぞ治まる時津風 波の鼓の声澄みて 謡ふつ舞ふつ君が代は 
万々歳も限りなく 末広狩こそめでたけれ 末広狩こそめでたけれ

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