RSウイルス

6月25日深夜、次女が突然40度近い高熱を出した。

翌日、かかりつけの病院は休診日だったので、やむなく近くの病院に連れて行ったら「発熱してたら子供でも診療できない」と言われ、何も出来ぬまま帰宅。
新コロでそんなことになっていたのをすっかり忘れていた。
結局、電話診療にて最近大流行しているRSウイルスを疑われ、座薬と咳止めシロップを処方してもらった。

次女はもらった薬で週末を過ごしたが、熱は一進一退、咳も止まらないので、29日に座薬で熱が下がったのを見計らって(本当はやってはいけないかもしれない)、今度は奥さんがかかりつけの病院へ連れて行った。
かかりつけの病院では丁寧に説明してくれる良い先生がちゃんと診察してくれて、検査によってRSウイルスと確定。最初にもらった咳止めだとあまり効果がないらしく、別の薬も処方してもらった。
入院措置がレベル4だとしたら、今はレベル3ぐらいと言われたらしい。危なかった。

さて、RSウイルスについては少し前から保育園でも流行しており、新聞でも国内での流行が報じられていたので、ずっと状況を注視していた。
RSウイルスは非常に感染力が強く2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染する。抗体ができにくく、ワクチンもないため子供は何度も感染して免疫を獲得していくしかない。
症状は38度〜39度の高熱と咳が約7〜12日ぐらい続き、悪化すると気管支炎や肺炎に進展する。

RSウイルスは毎年7月ごろから発症者が増え始め、9月ごろにピークを迎えて、その後急激に収まっていくのが特徴だが、実は去年は全く流行らなかった。
そして、今年は流行の立ち上がりが5月ごろからとかなり早い。
この現象について、NHKでは「新型コロナウイルス対策でマスクをする人が多くなったことや、保育園が休園したことなどが影響しているとみられています」と伝えていた。

保育園休園の影響はあるだろう。
去年は子供たちは接触の機会を減らされ、超短期的にはRSウイルスだけでなくヘルパンギーナ、手足口病、プール熱、流行性耳下腺炎などの感染症から遠ざけられた。これらの感染症も去年は絶滅状態だった。
一方で、集団生活の中でお互いの持つ菌やウイルスを交換する機会も奪われたので、免疫軍事訓練で鍛えられずに免疫弱者になった子も多かったはずだ。
今はその揺り戻しとして早い時期から起きているのでは?
あるいはRSウイルスも変異して、生き残るために感染力を強めたのかもしれない。

マスクの影響は疑問が残る。
マスクに効果があるなら現在のマスク100%の世の中で、飛沫感染が主な感染経路であるRSウイルスが例年より早く流行が始まるのは矛盾している。
毎年1000万人の感染者を出し、子供にも容赦なく高熱地獄を味わせていたインフルエンザも昨冬は全く流行らなかったが、RSウイルスの揺り戻しを見る限り「マスクをしていたから流行らなかった」のではなく、もっと別の理由があるのではないか?

結局、人間にはウイルスの制御なんかできないのだろうな、ソーシャルディスタンスとか自粛とかマスクでウイルスの制御ができると思い込んでいる人間中心主義は愚かだな……と看病をしながらいろいろ考えているうちに7月2日の金曜日、次女は咳を少し残しつつも平熱に回復。
ついに娘は、免疫を獲得したのであった。

そして、僕は次女の症状をそっくり受け継ぎ、週末を寝込んで過ごすハメになったのだった。

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