ウサギが悲鳴をあげるとき

おはようございます。

我が家に降り立った黒うさぎのお話第2弾。

ウサギは基本的に鳴きません。ご機嫌がいい時に鼻を鳴らすような、ぶほぶほとした音を出すことはあります。豚かな?って感じのヤツです。主観です。

そんなウサギが声を上げて叫ぶ時は、本当に不幸な、衝撃的な、悲しいことがあった時だとテレビで流れたことがありました。いや、本だったかな?(記憶力がマズい)

問題はそれを聞いた時の母の一言

「え…?こないだ叫ん だ よ 」

まだ小さな黒ウサギの身に一体何が起こったのか、今日は母から聞いたお話です。


我が家での黒ウサギは基本放し飼いでした。

お部屋となるケージはあるけれど、そのドアはフルオープン。戻りたい時はご自由に、お散歩したい時もご自由に。

母も日中は家事をこなします。自由なウサギと母だけの平和な昼下がりに事件は起きました。

小さな黒ウサギが、テレビボードの裏側へと狙いを定めたのです。

テレビボードの裏側といえばホコリとコードの樹海。

入り組んだその線をかじりでもしたら、テレビが死ぬ!

いや、最悪感電してウサギが危ない!!

慌てた母は各種デッキの詰まったボードの隙間から手を差し込みました。

逃げるウサギ

視界の悪い樹海

霧のように埃が舞い散る攻防戦は一進一退のせめぎ合いとなりました。腕しか入らない我々人類には不利な戦い。たとえ多少乱暴に掴むことになっても、危険な場所から出てきてほしい!

その一心で母はウサギを捕らえます。

一方ウサギにとっては自由への大切な第一歩、日々決行している壁外調査の途中。立ち寄った樹海の中で突如大きな手が現れたという状況です。

今まで穏やかだった日々とテレビボードの崩壊。

そう、この日、進撃のウサギは超大型巨人の手によって自由への道を阻まれたのです。

体を掴まれ、切り拓いた道を戻されるその時、あらんかぎりの力で叫びました

『駆逐してやる!!!』


実際そう言ったかは分かりませんが、テレビボードの裏から出される時に「ギィ〜!」と声を上げたそうです。

この話以降、黒ウサギが11歳でその生涯を閉じるまで声を上げて叫ぶことはありませんでした。

テレビボード裏の探検を阻まれたとこが、よほど耐え難い不幸だったようです。

時が経ち、いい大人ウサギになった頃。悲鳴は上げずとも動物病院の心労からか、一夜にして毛色が変わった事があるのですが、それはまた別のお話。

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