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平江帯


平江帯 (ヒゴタイ)
肥後躰 (ヒゴタイ)

キク目、キク科、ヒゴタイ属の多年生草本


まんまるく花の集合体で構成された5cm程
の球体花序が複数個、茎の先に付いてる姿。
来月になると一斉に咲いて美しい姿を見せて
くれる筈である。なので今回の写真ではまだ
緑色のままのものを掲載しておく。



その葉は薊(アザミ)のそれと似ているもの
で切込が深く入り、そこに多くの棘を有する。
触れるとチクチク痛いほどのもので、獣から
の食害を防ぐ為の防衛である。



日本国内では東海地方以西にまばらに分布を
しているが、レッドデータより絶滅危惧種に
数えられている。この六甲高山植物園の中は
この植物の存続を守るべく、複数箇所にこの
植物を分散して植っていてこれら絶滅危惧種
の保護を行っている。



和名が二種表記となるが、前者の『平江帯』
表記は貝原益軒(カイバラエキケン)編集の
『大和本草』(ヤマトホンソウ)に収まった
漢字表記であり江戸時代を代表する植物学者
貝原益軒による日本最初の植物図鑑である。
後者『肥後躰』の表記については、細川重賢
(ホソカワシゲカタ)の手による生物精細図
の際の表記名となる。こちらの図録は植物に
とどまらず、哺乳類生物から甲殻類などから
当時の甲冑や衣装など、あらゆる図録などが
集められた百科事典の原型を成すもの。



どちらも貴重な記録となっている。




和名 平江帯 (ヒゴタイ)
   肥後躰 (ヒゴタイ)
洋名 エキノプス セティファー
   (ECHINOPS SETIFER)
学名 エキノプス セティファー
   (ECHINOPS SETIFER)
分類 キク目、キク科、ヒゴタイ属
種類 多年生草本
草丈 100〜150cm
開花 8〜9月
花色 紫
原産 日本(西日本以西)、朝鮮
言葉 実らぬ恋
撮影 六甲高山植物園

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