見出し画像

地球温暖化で消えゆく命、それを救うはミモザの葉


今年の夏も、熱暑、酷暑が我々を襲った。


パリ五輪の選手村にて、環境に優しいからだと
『エコ』の言葉を振り翳しての、ビーガン飯、
エアコン設置なしなど、4年の長い歳月を掛け
オリンピックの土俵に立ったアスリート達への
あまりに身勝手な判断だったのでは?と誰もが
酷評をした大会となった。


それでも、国が金を掛けて、エアコンを入れる
などの対応をして、闘いに挑んだアスリート達
であった。


以前より、激減する蓑虫(ミノムシ)の存続を
心配している私であるが、あらゆる樹種を巡り
目を凝らしたとて、やはりその数は少ないなと
感じて寂しく思う。


もちろん、ミノムシが身にまとうそれは、天敵
の目を欺いて命を守る為の手段としては有効な
ものと言える。一般には幼虫や毛虫などは蛹に
なる時にのみ糸を出すのだが、ミノムシはその
身をプロテクトする為に糸を出し、周辺にある
葉、枝、などを集めては簡易な鎧を作り出す。


まだ、地球温暖化が叫ばれるまではミノムシも
良かったが、この殺人的な酷暑の中に於いては
サウナ風呂の中で寝袋に包まった状態にも近い
ものであり、これが個体数を減らした原因だと
考えられる。


年間最高気温の推移をグラフにしたものを見て
みると一目瞭然となる。青い線をアベレージで
トレースしたのが赤い線となるが、75年頃に
35.5℃だったのが、半世紀経つと36.5℃を
超えているのがグラフに表れている。



そんな、私が炎天下の中を兵庫県川西市の実家
周辺の住宅街の中を徘徊している時の事である。


ミモザは、当たり前に夏場などはとっくに花の
季節が終わって、マメ科特有のシルバーリーフを
風に揺らしながら、ギンギラギンの炎天下の下、
耐えていたのだが、私を驚かせたのはその葉の
下に多くのミノムシが居た事である。


それも一匹、二匹どころではなく、あちこちに
ミノミシ、ミノムシ、ミノムシと、その光景に
私は思わず驚いてしまったのである。


ミモザの葉は銀色掛かったシルバーリーフであり
太陽光に対し非常に強い耐性を持っているもので
光反射性が高く、強い日差しや乾燥に耐える為に
進化したものとなっている。


このシルバーリーフは、表面に細かい毛で覆われ
ワックス成分もあり太陽光を反射する為、葉自体
の温度上昇を抑える事から、水分蒸発を防ぐ効果
も有している。


元々がミモザは、全日照の環境を好む樹木であり
強い日光を受けても問題なく、むしろ日当たりの
良い場所でグングンと伸びる樹木なのである。


ミモザの葉が、ミノムシにとって住み心地が良い
理由は他にもいくつかある。ミノムシが身に纏う
ための葉であるが、ミモザの葉は、小さく細かい
羽状複葉(ウジョウフクヨウ)の形をしている。
この形状は、ミノムシが蓑を作るのに適していて
葉が小さくて柔らかいため、蓑に取り込みやすく
簡単に巻きつける事ができる。


ミモザの羽状複葉は葉の密度が高く、枝全体へと
広がっているため、ミノムシが隠れやすい環境を
提供してくれる為、捕食者から身を守るに好都合
な環境でもある。ミノムシは周囲に馴染む様な蓑
を作るのだが、ミモザの豊富な複葉はその素材を
豊富にミノムシに提供してくれるのである。また
この羽状複葉の間からは風が抜ける事からミノの
中は暑くなりにくい構造にもなっている。


ミノムシは様々な植物の葉を食べますが、ミモザ
のこの葉もまた、その食料源となる。蓑の材料と
食料とを同時に得られる環境は、ミノムシにとり
理想的な環境なのである。


これらの要素が組み合わさることで、ミモザの葉
はミノムシには、住み心地が良い環境を提供して
いるものなのだと考えられるのである。


この説は、ネットでは記載がなく私の立てた自論
とはなるが、ミノムシの個体数の多さと、ミモザ
の葉のもつ特性を考えると間違いではないものと
考える。




和名 金合歓 (アカシア)
洋名 ゴールデン ミモザ
   (GOLDEN MIMOSA)
学名 アカシア バイレヤナ
   (ACACIA BAILEYANA) 
分類 マメ目、マメ科、アカシア属
種類 常緑高木
草丈 3〜10m
開花 冬〜春
花色 黄
花径 10mm
原産 地中海沿岸部
言葉 優雅
   友情
撮影 兵庫県川西市、実家近くの民家

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

和名 蓑虫 (ミノムシ)
洋名 バッグ ワーム モス 
   (BAG WORM MOTH)
学名 サイチダエ ボイスデュバル
   (PSYCHIDAE BOISDUVAL)
分類 チョウ目、ミノガ科
解説 幼虫時に自己防衛の為の蓑状の巣を
   枯葉、枝を利用し作るミノガの幼虫
   その巣が昔の雨具の蓑(ミノ)に似る
   事から蓑虫 (ミノムシ) と名がつく

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

#金合歓
#アカシア
#ゴールデンミモザ
#GOLDENMIMOSA
#ミモザ
#MIMOSA
#アカシアバイレヤナ
#ACACIABAILEYANA
#蓑虫
#ミノムシ
#バッグワームモス  
#BAGWORMMOTH
サイチダエボイスデュバル
#PSYCHIDAEBOISDUVAL

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?