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銀合歓


銀合歓 (ギンネム)


マメ目、マメ科、ギンネム属の植物。



少し前、ここで合歓ノ木(ネムノキ)に関し
ロマンチックな伝説も織り交ぜて紹介した事
があったが、同じ植物の分類にありながらも
少し勝手が違う植物がこの銀合歓である。



よく出来たお姉さんの紹介の後、そうでない
弟の紹介をするみたいな感じになる。よりも
テロリストに近い植物となる。



ギンネムは、メキシコ南部、ベリーズ、など
を原産とする極めて侵略的な植物のひとつ。
著しく乾燥をしている砂漠地帯などを除けば
痩せた土地でも生き延びていく術を持つ植物。
また、ギンネムはセイタカアワダチソウ等も
持つアレロパシー物質拡散という技を使う。
これは周囲の植物の成長を妨げる物質であり
これよりギンネムはその土地の権利を我が物
にしてしまう。在来の植物を根絶やしにする。



ギンネムのもうひとつのヤンチャなトラップ
は種の中に含有するミモシン(MIMOSINE)
なる物質である。この長細く痩せた鞘の中に
小さな豆が沢山並ぶのだが、この豆を食べる
と家畜類などの生物は脱毛してしまうのだ。
これは動物だけではなく、人間にも同じ作用
をもたらせてしまう。この実を食した女性が
翌日には体毛の全てを失ったとレポートには
記載されている。これはエネルギー代謝障害
を引き起こした為であり、若年層の者ならば
時間をかけて体毛は戻るが、高齢物になると
永久脱毛となる危険を有している。興味本位
で、これの長い鞘のものを食べると取り返し
のつかない事態になるので要注意である。



第二次世界大戦中のこと、小笠原諸島に取り
残された日本兵達が食糧不足を補う為にこの
ギンネムの豆を食したところ、全員の体毛が
全て脱毛したとの記録がある。これも年齢に
より一時的な脱毛、永久的な脱毛だったのは
被験者がエネルギー代謝障害を乗り越えたか
によるものとされていて恐ろしい話である。



この成分には生殖阻害作用もあると言われる。
一般的には豆類にはマグネシウムが入ってて
男性の性器そのものの機能にも、精子が元気
良く活発に動く為にも有効らしいが、豆類で
マイナスに働くケースは珍しい。私はこの鞘
を石垣島の時沖縄の時と合わせて四つの鞘を
持っているが、厳重管理をし間違えてお口に
入れる事のない様に気をつけよう。



ギンネムは、本来は農業用に有用であるとの
判断で沖縄と小笠原諸島に持ち込まれたもの
だったが、色々調べる中、有用性そのものが
疑念視される様になる。アレロパシー問題や
ミモシン問題である。沖縄が第二次世界大戦
の激化の後に焦土と化したその土地を海の波
に侵食されぬ様にと米軍は沖縄の島の周辺に
ハワイ産ギンネムを散布し植えたのである。
どんなに痩せた土地であれ、このギンネムは
深くまで根を張る。そしてそれらは土地を海
からの波や風で痩せさせぬ為の措置として、
初めて役に立った。だが、後になりふたつの
大きなトラブルを持っている事が分かったと
いう訳である。また、子供がこれを食べるのも
成長阻害を引き起こす重大な危険をはらむ。



その悪さをもう一度、整理しておこう。



■ 繁殖力が旺盛で、他の植物を枯らせる上に
 根絶やしにしてしまう。(土地権利独占)
■その実を食べた生物の身体に生えてる体毛
 を脱毛させてしまう。(体毛の全脱落)
■その実を食べた生物のオスの生殖機能を不能
 にしてしまう。(男性の陰茎の勃起不能化)
■その実を食べた子供の発育障害を引き起こす。
 (子供の成長阻害につながる)



こうやって書き並べてみると相当なワルだ。
植えてはいけない、食べてもいけない植物と
いう事が良く、お分かり頂けたであろう。




和名 銀合歓 (ギンネム)
   銀合歓 (ギンゴウカン)
洋名 ホワイト ポピナック
   (WHITE POPINAC)
   ワイルド タマリンド
   (WILD TAMARIND)
学名 レウカエナ レウコセファラ
   (LEUCAENA LEUCOCEPHALA)
分類 マメ目、マメ科、ギンネム属
種類 多年生植物
草丈 2〜6m
開花 春〜秋
花色 白
花径 25〜50mm
原産 メキシコ南部、ベリーズ、グアテマラ
言葉 胸のときめき
   歓喜
   創造力
備考 世界侵略的外来種ワースト百選
撮影 沖縄、石垣島



繁殖力が凄いのだと、沖縄の女性がこの植物を鎌で
除去しながら大いに罵っていたのを思い出す。

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