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思草


思草 (オモイグサ)


ハマウツボ科、ナンバンギセル属の植物。


秋の長雨が降る頃、芒 (ススキ)の根元に
生えて、桃色の花を咲かせるのがこの植物
思草 (オモイグサ)である。


万葉集の中、この植物を題材として幾つもの
恋歌が詠まれたものである。この桃色の花が
まるで頬を染めて、俯き加減に佇むその姿に
昔の人達は恋煩いに思い悩む女性の姿を重ね
恋歌を幾つも詠んだのである。


ススキという背の高い植物に、寄り添う様に
控えめに咲く思草の姿は、身分のまるで違う
者が恋焦がれて寄り添っている姿にも見える
叶わぬ恋の世界をその姿に連想したのである。


  
ススキの根元に寄り添う姿を健気だと昔の人
は思ったものだが、実はこの植物は葉緑素を
一切持たない植物で自身では光合成を行う事
が出来ない植物であり、実は寄生植物という
のがこれの正体。



ススキの根元に生えるのはその根に寄生して
その養分と水分を奪いながら生きていく寄生
植物なのであり、ロマンチックな恋歌の様な
主人公は、一転してパラサイトをする植物と
いう事実…昔の詠み人達には、これは内緒に
しておこう。



このススキに寄り添うこの植物は、寄生した
ススキの成長を阻害させて殺してしまう程の
ものなのだという。





   
和名 思草 (オモイグサ)
   南蛮煙管 (ナンバンギセル)
洋名 ジャイアント アエギネティア
   (GIANT AEGINETIA)
   フォレストゴーストフラワー
   (FOREST GHOST FLOWER)
学名 アエギネティア インディカ
   (AEGINETIA INDICA)
分類 ゴマノハ目、ハマウツボ科、
   ナンバンギセル属
種類 寄生植物
草丈 15〜20cm
開花 晩夏〜晩秋
花色 桃色
花寸 2〜3cm
原産 日本、朝鮮、中国、台湾、インド、
   タイ、ネパール、フィリピン、
言葉 物思い
撮影 六甲山高山植物園  

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