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蟻ノ火吹


蟻ノ火吹(アリノヒフキ)

キク目、キキョウ科、キキョウ属


梅雨の時期辺りから長く秋まで咲く植物で
秋の七草にも数えられるキキョウである。


以前の記事でも書いた通り、雄蕊についている
花粉が枯渇したのを見届けてから、ゆっくりと
雌蕊が開いて五裂し、受粉体制が整うもの。


同じ花の雄蕊と雌蕊による受粉には成らぬ為に
花粉放散時期と、受粉体制時期とを完全に分け
自己受粉を避けたこの植物の知恵と呼べる。
物言わぬ植物のそんな自動プログラムは本当に
すごい事だと私は思っている。

今回はタイトルを『蟻ノ火吹』(アリノヒフキ)
と謎めいたものにしたのだが、漢字で『桔梗』
と書いて、平安時代に於いては『アリノヒフキ』
と呼ばれていたのである。


桔梗の紫色の花の色素には、アントシアニンと
呼ばれる物質が入っているのだが、リトマス紙
の実験の様に、桔梗の花弁を蟻に噛ませてみる
と、その噛んだ部分が、紫から赤へと変わる事
から『アリノヒフキ』とルビが打たれていたと
される。蟻の噛んだ時の唾液には蟻酸が含まれ
この酸性が、桔梗の花の中のアントシアニンに
反応したものなのだろう。

平安時代の娯楽が少なかった時代に、自然の中
の色々な事象(実験)などは娯楽対象であり、
偶然にこの現象が見つけられ、巷にも面白いと
拡がった遊びだったのだろう。




和名 桔梗 (キキョウ)
   岡止々岐 (オカトトキ)
   蟻ノ火吹(アリノヒフキ)
洋名 バルーン フラワー
   (BALLOON FLOWER)
学名 プラティコドン グランディフロラス
   (PLATYCODON GRANDIFLORUS)
分類 キク目、キキョウ科、キキョウ属
種類 多年生植物
草丈 40〜100cm
開花 夏〜秋
花色 紫、白、紫と白の二色混在
花径 50〜70mm
原産 日本、朝鮮、中国
言葉 変わらぬ愛
   清楚
   誠実
   気品
撮影 淀川区役所の駐輪場横
備考 秋の七草

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