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鬼灯


鬼灯 (ホオズキ)


ナス目、ナス科、ホオズキ属の植物。


6〜7月に黄色い花を咲かせて、六角状の
萼が発達して、その実を包み込んで袋状と
なって、その緑色が徐々に橙色へと染まる。
そして可愛いホオズキのあの色と形を成す。


この『ホオズキ』の名の由来は、三つの説が
あるとされている。


ひとつ目は、ホオズキそのものの袋状の実が
熟して赤く染まっていく様を、頬を赤らめて
色が付くのに重ねての『頬付き』からくる説。


もうひとつはホオズキ遊びに由来し、これの
実の皮を口に含み、膨らませ音を出して遊ぶ
その様子から『頬突き』と形容されたものが
語源となっているという説がひとつにある。


片や、古名にて亀虫(カメムシ)は『蝥』の
文字で『ホホ』と呼ばれていたものであり、
特にホオズキを専門とし集まるカメムシに
『ホオズキカメムシ』があり、これが群れを
成して取り付く様子を指して、『ホホ好き』
『ホホ付き』が語源とする説もある。


これら三つの命名の由来ではあるがどれもが
納得できるものであり、これら三つの全てが
合わさっての名の由来なのであろう。


ちなみにホオズキカメムシ以外に、ホオズキ
を好んで襲うのが、ニジュウヤホシテントウ
(二十八星天道)であるが、農業の従事者に
とり厄介者ゆえ、命名からは完全除外される。


ホオズキはシマホオズキ(ブドウホオズキ)
やショクヨウホオズキなどの様に食用になる
ものも存在するが、写真のものは食用不可の
種類である。基本、ホオズキは毒性を持つ。


特に妊娠中である女性の摂取は厳禁であって
子宮を収縮させてしまう物質が含まれている
為に流産してしまう危険があるからである。


古の時代からホオズキは人々の目を楽しませ
女の子の遊び道具にもなった。開花時期から
実の生成時期に合わせた時期には日本の各地
でホオズキ市が開かれ、賑わいを見せる。


植物そのものを楽しむ他、ドライフラワーや
人形を作ったり、あるいは冒頭に語源の説で
紹介したホオズキを鳴らし遊んだりもする。


ドライフラワーに於いてはその袋状の外部が
網目状に外殻を残して、中に橙色の実だけが
外光によって網目越しの鮮やかな美の世界を
醸し出す。鬼灯の漢字の名の通り、その様は
鬼灯の文字通り魔の世界の炎を連想させる。


ホオズキは母が買ってきたものを妹と一緒に
中の果肉を掻き出して鳴らそうと試したけど
妹達は器用に鳴らしたが小学生当時の私には
何度も試したが、これを鳴らす事は最後まで
叶わなかった。それ以来、これを鳴らそうと
試す機会もなく、私は多分、鬼灯を鳴らさず
一生を終えるだろうと思ってる。もしかして
女性にしか鳴らせないものなのだろうか。


ホオズキの漢字には鬼灯とあるが、鬼の文字
は亡くなった人の意味も持つ。亡くなった人
の念が、ホオズキの実を炎の様に燃やすのだ
という概念もあり、ホラー的な要素も持つ。


八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の燃える様な瞳
を指した古名から、赤加賀智 (アカガチ)や
赤輝血 (アカカガチ)、輝血 (カガチ)の名
も今も残る地方もある。


花言葉の『偽り』や『ごまかし』は、大きな
その袋の中にある実があまりにも小さくて
袋に対し見掛け倒しとの事から付いた言葉。

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鬼灯の花姿 (武田薬品京都薬用植物園)


実がまだ色付く前のもの(丹波篠山にて撮影)


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実が橙色に染まる姿のもの(丹波篠山)


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熟してきた鬼灯の実(大野川緑陰道路にて)


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ドライフラワー状態の鬼灯(長居公園植物園)

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和名 鬼灯 (ホオズキ)
   鬼燈 (ホオズキ)
   酸漿 (ホオズキ)
   赤加賀智 (アカガチ)
   赤輝血 (アカカガチ)
   輝血 (カガチ)
洋名 ジャパニーズランタン
   (JAPANESE LANTERN)
   チャイニーズ ランタン
   (CHINESE LANTAN)
学名 アルケケンギ オフイシナラム
   (ALKEKENGI OFFICINARUM)
分類 ナス目、ナス科、ホオズキ属
種類 一年生、多年生植物
草丈 60〜80cm
開花 6〜7月
花色 白
花径 30mm
原産 日本
言葉 自然美
   心の平安
   偽り
   ごまかし
   私を誘って
   私を誘惑して
   浮気
撮影 大野川緑陰道路
   武田薬品京都薬用植物園
   丹波篠山の黒大豆畑横
   長居公園植物園

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