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雲母唐長


日本の美としてここに掲載するに相応しい
ものとして雲母唐長(キラカラチョウ)を
紹介しようと思う。


創業1624年と.来年には創業400年を
迎える。何のお店かというと襖(フスマ)の
デザインを手掛けてきた京都の老舗である。
木版画で襖の柄は絵付けされるのでとても
大きな木版が必要となる。


ハギ、アヤメ、雲型など、デザインの豊富さ
もすごいのだが、こんな昔ながらの職人技の
木版がいくつもある。そしてその図柄のどれ
もが今見ても斬新なデザインなのである。


これもまた京都の大切な文化のひとつ。


私はこの雲母唐長のお店は本店と古今烏丸の
お店に何度か足を運んでちょこちょこと買物
してしまうのだが、いつも行くと時間を忘れ
長居をしてしまう。昔の職人さんが彫刻刀で
時間を掛けて制作したそれらひとつひとつの
美に魂を揺さぶられてしまうからである。


しかしながら、日本の住空間は、和室を削り
洋間を増やしてきた。
私の住むマンションには和室などはなくて
襖(フスマ)どころでなく、畳(タタミ)
障子(ショウジ)もない。縁側(エンガワ)
床間(トコノマ)などはもっての外である。


雲母唐草さんも当たり前に襖の需要は減少の
一途で、そこでこの襖デザインをアートとし
インテリアへと変貌させた。パチパチ、拍手
ものである。そして食器などにもデザインは
展開されている。


良いものは、その文化を絶やしてはならぬ。
それはどの文化に対しても言える事と思う。


京都の烏丸にある COCON KARASUMAと
いう商業施設の外貌には、ガラスの全面に
雲母唐長の彩雲柄が採用されとても美しい
外観なのである。


コロナの終息への道筋が立ちつつあるいま、
インバウンド需要もまた拍車がかかるものと
考える。世界の目にもこの美はきっと届くと
思っている。

また、額縁に収まった図案を買いに行こう。

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