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カミキリの漢字表記とは、紙切・髪切・噛切のどれ?


胡麻斑天牛 (ゴマダラカミキリ)


カミキリムシ科、ゴマダラカミキリ属


日本国内に於いて最も目にすることが出来る
カミキリムシといえば、このゴマダラカミキリ。


ツヤツヤとした真っ黒なその羽には、白い斑が
沢山入った、とても美しいカミキリムシである。
身体を裏返して見ると、腹部や脚などは灰青色
をしているもので、この色もまた美しい。


子供の頃にこれを見つけては手で捕まえてやり
耳元で音を聞くと、ギーコギーコと頭部と胸部
の付け根を摩擦させ、音を立て逃げようとする。
この音が可愛くて見つけると私は必ず捕まえて
ひとしきり観察をすると逃がしてやる。


私にとっての虫は捕まえて籠(カゴ)に入れる
ものや、標本にしたりする対象ではなく、基本
は自然の中で捕まえたものはまた、自然の中に
戻すキャッチアンドリリースが目的だった。
男には基本的に備わったハンティングの本能は
私にもあるので捕まえはするのだが、限られた
命の時間を奪うのがイヤだったのは、小学生の
頃からの私の虫に対する考え方だった。なので
ゴマダラカミキリは、人生で百匹は捕まえるも
その百匹は全て逃している。


さて、このゴマダラカミキリが、スタンダード
に我々がよく見かける頻度の高いカミキリムシ
であるのには単純な理由がある。この虫が育つ
為に必要な樹種が多岐に渡るからである。


ミカン、イチジク、クリ、ヤナギ、プラタナス、
クワ、シラカバ、など、その育成に必要な樹種
が広範囲である事がその理由なのである。交尾
を終えたゴマダラカミキリのメスはこれら樹種
の根本から1mの範囲内に卵を産みつけると、
その幼虫はその樹木の内部の生木を食いながら
成長しをていく。大きく育つとその食べる穴は
直径で1cmになる。成虫になったら葉っぱや
樹皮の柔らかな部分を齧って食べる。


幼虫の被害によりその木は弱体化したり、収穫
に打撃を与えてしまうので、ミカンの農家から
駆除対象の害虫となっている。
このゴマダラカミキリの親子の所業により樹木
はその箇所から樹液を出す様になる。これらは
他の甲虫や蜂や蝶や蛾などの貴重な餌場となる。
この様に自然界ではお互いの役割があり、それ
が知らぬ間に他への助けにもなっているのだ。


このゴマダラカミキリはハイキングの時に仲間
の女子が見つけてギャッと叫んだものであり
それを写真に撮ったもの。手で捕まえる前には
羽を拡げて飛んでいってしまった。片目ハンデ
を負ってしまった私には、飛翔するその姿まで
追いかけ撮影するには至らなかった。


カミキリムシのカミキリとは、何を表すものか
を子供ながら考えた事がある。その漢字表記が
『紙切』、『髪切』、もしくは『噛切』なのか
である?私の子供の時の妹の協力を得ての実験
(嫌々の協力であったが)紙も、髪も切れた。
カミキリの口は裁縫鋏のシンプルな形をしてて
左右から挟んで切る口の形をしている。


対象のものをその口に持っていくと、反射的に
その口が対象物を挟むのだが、妹の長い毛先を
まとめたのを挟むと本数は少ないながらも切る。
次に紙の実験をした時でも、画用紙がサクサク
とよく切れるのであった。その当時の私の持つ
昆虫図鑑にはカミキリムシとだけの表記のみで
紙切、髪切、噛切、のどの漢字表記もなかった
為の好奇心実験であった。


結論、私にとってはどの漢字も誤りではないが
実際の漢字表記は『髪切』が正解だというのは
大人になってから知ったのだった。




和名 胡麻斑天牛 (ゴマダラカミキリ)
洋名 ホワイトスポッテッド ロングホーン
   ビートル
   (WHITE SPOTTED LONGHORN
    BEETLE)
学名 アノプロフォラ マラリアカ)
   (ANOPLOPHORA MALARIACA)
分類 コウチュウ目、カミキリムシ科、
   ゴマダラカミキリ属
種類 カミキリムシ
全長 20〜35mm
出現 5〜9月(成虫)
食性 ミカン、イチジク、クリ、ヤナギ、
   シラカバ、クワ、プラタナス(幼虫)
   樹皮、葉(成虫)
分布 日本全域(北海道〜九州)
撮影 摂津峡

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