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SURVIVAL GAME


サバイバルゲーム (サバゲー)


何年も前の話…


私が会社の寮にいる時に、普段は訪れない先輩が
珍しく私の部屋にノックして入ってきた。




「君さ、確か銃を何丁か持っていたよね?」




「ええ、10丁以上は持ってますね、グロック、
ベレッタ、シグザウアー、イングラム、ウージー、
それと…」


ニヤリと先輩は微笑みながら、次の質問をする。


「でさ、サバゲーチームを編成する予定だけど、
どう?参加してみる意思はある?」



「えっ、サバゲーチームを編成するんですか!
はい、それは、もちろんです。参加します!」


サバイバルゲーム、通称でサバゲーと呼ばれる
野山の中を戦闘用装備を身につけての戦争ゴッコ
をするというアレである。男性にはその内には
本能の中に戦闘願望はある。それをルールに従い
合法な範囲の中でゲームとして競い合うもの。


私は以前には光線銃で撃ち合うゲームを何度か
やっていて、スキーのゲレンデをストック持たず
光線銃で撃ち合うゲームが物凄く面白かったので
サバゲーにも興味津々だった訳である。


その日のうちに50万円を銀行で下ろしに行き、
早速サバゲー用ガンショップへ行き装備を揃える。ヘルメット、タクティカルベストやフルフェイス
ゴーグル、ハンドガン、マシンガンなど実戦に
使えるものを買い漁ったのである。



SURES(シュールズ)、これが所属チーム名、
私を含めチームメンバーは五人と人数は少ない。
アウトドア戦はもちろんのこと、インドア戦にも
何度も出撃して、装備はどんどん増えていって
今も私の手元には47丁の銃が揃っている。



チームのカタチが固まると、全員がSWATの装備
に統一されて、全身黒づくめである。SWATには
ダークブルーの装備もあるのだが、それはやっぱ
カッコ悪いぞと、全員がオールブラック。




我々のチームは『SWAT』つまり強襲型特殊部隊
をベースにしているのだが、そのロゴはサバゲー
フィールドでは目立つし、ダサいからと外す。


実際に野山を駆け回る為、軍服は現物を輸入して
購入。岩場や川に入っても安全な軍用の靴。目を
守る為のゴーグルも購入。BB弾はプラ製6mm
のものだが、眼球を直撃すれば失明に至る。
夏場の荒い活動ゆえゴーグルは曇るのでメッシュ
型のものを私は採用した。周囲を敵に取り囲まれ
四方から撃たれるとやはり焦る。焦ると強化プラ
のゴーグルは一気に曇ってしまって敵も見にくく
更にゴーグルが曇るのだ。ママレモン等、表面に
界面活性剤を塗るなどの処置も試したが私の場合
あまり良くなくて、だからメッシュなのである。
BB弾に話を戻すと最近では環境問題によって
生分解性プラスチックを使用しており、地面上に
落ちたその球は勝手にバクテリアにより分解され
土に還るものが主流となっている。



これらはタクティカルベストと呼ばれる小物類を
装備する為に必要なもの。ガンホルスターに加え
マガジンホルダー、電動ガン用のバッテリー類や
BB弾収納用のポトルケースなど、色んな小物を
この中に収納してフィールドで闘うのである。



雰囲気を出すために手榴弾やチャフ、催涙ガス、
通信機ダミーなどをここにつける者もいるのだが
そういう余分なものはサバゲーの実践では何の
役にも立たない。それでなくとも長物の銃が一丁
マシンガンかスナイパーライフル、コンパクトな
マシンガンに、サイドアームとしてハンドガンを
装備する上、予備バッテリーなど色々合わせて
最低でも10kg以上の装備を持って野山を走る
事から余計なものは余計でしかないのである。


サイドアームスは、いわゆるハンドガンという物
実際にサバゲーではハンドガン戦と長物は禁止の
インドア戦などでは良く使う。だが、広い野山で
全く実戦には使えないものである。上の写真の銃
は自衛隊で標準装備とされているシグザウアーの
P220の後継機種、P226。アメリカでは
ハワイで何発も撃ったがキックが少なく連射して
撃っても精度がブレにくい名銃である。



グロック17、ダイハード2で、一躍有名になった
銃で、この銃を機に銃本体には対衝撃性に耐える
樹脂が採用される様になり、全米の警察機構はこの銃が標準装備されているもの。このグロックには
ロングマガジンも装着できる様にも工夫がなされ
30発もの弾丸を装備できるものまである。



こちらはメインアームスにもなりうる小型の銃。
ヘッケラー&コッホ社製コンパクトマシンガン。
ブッシュや木立の中での戦闘では長物は邪魔になり
スリングで吊り下げいざと言う時には実戦に使用。
この銃はコンパクトさがその売りでもあり、要人の警護シークレットサービスのアタッシュケース収納型銃でも多く流通。このアタッシュケースには防弾機能に加え、民間人の前で銃の姿を見せないままにテロリストに対し攻撃や反撃ができる物。カバンの取手にはトリガーがあるのはその為である。



こちらは私のメインアームズ、旧ソ連軍が採用の
カラシニコフ社製のAK47の、同国の特殊部隊
スペッナズカスタマイズ仕様の銃。AK47は世界中に一番流通をしている銃でゲリラ、テロリスト
なども多く出回っている銃。その理由は砂漠など
やジャングルなどで最も故障が少ない為である。


砂塵、あるいは水没したとて、この銃は機能して
実戦においては、米軍採用の銃の欠点克服をした
優秀な銃でもある。


AK47がもう一つ優れるのはバナナマガジンを
採用した点である。弾の装填数が増える利点と、
ジャムる(弾詰まりする)がほぼない点である。

私にとってのサバゲー全盛期には、近畿地区最大
とも言える大会にも参戦した。高鷲の個人所有の
山を舞台に総勢750名も軍服姿がフィールドに
集結。この山は個人の所有物であり、外周グルリ
ロープを張られていて一般人が入れない配慮され
土地の警察や消防にも大会を申告して公的承認を
経て開催される大会となる。そこら辺の野山では
サバイバルゲームなどはやってはいけない。山菜
や茸狩、ハイキングなどをしにきている人達への
万が一の流れ弾が当たるなどはあってはならない
からである。



サバイバルゲームの中で最も手強い敵は、現役の
自衛隊員達である。彼等は遊びに来るのでなく、
一般素人のカルト集団やゲリラなどとの戦闘時の
その動き、その制圧訓練の為にエントリーしての
参戦となっていて、律儀に自衛隊装備のエアガン
での参戦である。サバゲー用の銃とはいえ実銃と
重量バランスは同じに作られているのでしっくり
来ているのであろう。他のサバゲーを遊びとして
来ているメンバー等とは、一線を画したチームの
雰囲気を持っている。あとは警察関係も数人。
これは大人数ではないが目的は同じであろう。
そして、山火事が起きたりはしない様にルールは
決められているが消防にも連絡済みで、この手の
大規模な大会開催は所定の手続きが必要なもので
ある。


こんなに大人数での大会はどうやるかというと、
四つのチームに分けられる。赤、青、黄、桃。
その色のテープを腕に巻きつけて、四つ巴の陣地
に待機して、笛の合図とともに戦闘開始!先陣を
切って何人もが敵陣を目指して駆ける。タタタタ
すぐに撃合いが始まる。電動式エアガンを限定に
使用許可がなされたフィールドでは弾が当たると
両手を上げデッドサインを出しバトルフィールド
からセーフティゾーンへ移動。勝敗についてだが
制限時間内に兵の生存者数カウントか、もしくは
フラッグアタック、つまり敵に旗を倒されたその
時点でそのチームは負けが確定。


さてさて、自衛隊員が日頃の特訓を活かして次々
と敵兵を倒していく。彼等は崖上からラペリング(ロープで降下する事)で宙吊りになったままで
身体を安定させて、下にいる兵を狙撃していく。
彼等の目標はワンショットワンキル、つまりは、
一発で相手の頭を撃ち抜くやり方である。彼等に
失敗は許されない訓練ゆえ、地を這う兵は見事に
眉間に弾を受けて戦線を離脱していく。私もこの
一発で眉間を撃ち抜かれて凄いなと逆に感動して
フィールドアウトである。




次に厄介な敵は、ドクター、つまり医者である。
彼等は普段は命を救う仕事をしている。が、彼等
の日々のストレスは計り知れない。だからゲーム
の中では彼等は恐ろしくも強い敵となって次々と
敵兵の命を奪っていく。彼等の持つ最大なる武器
はその恐るべき財力にある。我々が持つ銃は標準
のもので、大概が一丁五万円程度の金額のもの。
彼等のは改造やら装備向上に糸目を付けずに改造
(カスタマイズ)していて一丁あたり五十万円位。もう、性能が違う。彼等は開戦同時に自分の陣営
のフラッグのさらに奥へと身を潜めて獲物が来る
のをひたすら待つ。ワンショットワンキルは医者
にとってもそれが美学である。PSG1など狙撃
ライフルが彼等のメインアームで、ギリースーツ(カモフラージュ)で完全に気配を消し去る。
その上サーモゴーグルで敵を光学的な検知により
ブッシュ内(草むらの中)の敵を的確に捕捉して
狙撃を果たす。これでは勝てない。



サバゲーの夜間戦などの場合は暗視ゴーグル等も
使用する。これは逆にフラッシュライトによって
目が眩むという欠点も持っている。


と、サバゲーの話を書いたが、また気が向いたら
色々と書こうかと思う。

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