兎苔
兎苔 (ウサギゴケ)
ゴマノハグサ目、タヌキモ科、タヌキモ属、
ウサギゴケ種の多年生植物。
草丈は3〜5cmととても小さいものであり
名称の通り、白うさぎが何匹も飛び跳ねてる
様子にも見え、眺めていてとても楽しい。
だが実はこんなにも可愛い姿をしていながら
実は食虫植物のひとつとなっている。
食虫植物ブームの中、こんなにも可愛らしい
のなら部屋に置こうかなと思う方もおられる
かも知れない。直射日光を避け、植えた土は
常に湿らせてやれば、簡単に育てられる植物
となっている。
食虫植物の中でも、あまり一般には知られて
いないのが、この狸藻(タヌキモ)類となる。
一般にあるタヌキモとは水性植物であって
細かい葉を分岐させておりその先には袋状
のトラップが多数、装備されていて先端部に
ミジンコなどが触れるとトラップが発動して
袋の中に強引にミジンコを吸引、トラップの
袋は布団圧縮袋の様に超凝縮してミジンコの
身体をペチャンコにして、後はそれを養分と
して吸収するもので、他の食虫植物などより
取れ高率もバツグンのもの。
ミジンコにとっては、何もないところよりは
水中の藻類のそばに潜んでいた方が天敵から
身を守る事ができるのと、餌にもありつける
という、その二つの利点から藻の下に隠れる
習性を逆手に取ったトラップなので効率よく
ミジンコは狩られてしまうという訳である。
食虫植物は、光合成の機能を有しているので
本来は食虫してなくとも生きていけるもので
食虫機能は実はオマケ程度のもの。タヌキモ
は取れ高ガッポリでスクスクと育って水上に
兎を跳ねさせる。面白い植物である。
そんなタヌキモの仲間であるのがウサギゴケ。
南アフリカ原産の固有種となるもので湿地帯
に生える多年生の岩生植物。地中に張った根
には小さな袋がいくつも備わっており、ここ
に虫が触れるとそれを吸い、中に虫が入ると
一気に空気を排出して、中の虫を押し潰して
これを消化する。 同じ仲間のタヌキモ類は
水中にてミジンコなどのプランクトンを捕獲
するのだが、このウサギゴケは土中の線虫類
を獲物としている。
学名の『ウトリキュラリア』はギリシャ語で
『袋状のもの』を意味し、洋名『ブラッダー』
は、トラップ袋の形から『膀胱』を意味する。
和名にある、狸藻(タヌキモ)類のこの名は
このトラップ袋がタヌキの尻尾に似る事から
の名称となっている。
土中にタヌキの尻尾の罠で虫を捉え、その花
は元気なウサギ姿で跳ね回る。なんともはや
ユニークな植物である。
ウサギとタヌキと言えば、カチカチ山の話を
思い出すが、土中と地上とにステージ分けを
されてるので、両者が出会う事は永遠にない。
和名 兎苔 (ウサギゴケ)
洋名 ブラッダーウォート
(BLADDERWORT)
学名 ウトリキュラリア サンダーソニー
(UTRICULARIA SANDERSONII)
分類 ゴマノハグサ目、タヌキモ科、
タヌキモ属、ウサギゴケ種。
種類 多年生植物
食虫植物
草丈 3〜5cm
開花 6月
花色 白、桃
花寸 5〜10mm
原産 南アフリカ
言葉 夢でもあなたを想う
撮影 咲くやこの花館
写真 花、蕾、茎
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兎苔の仲間は、なんと、狸藻
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