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2023年 ベルギー・アントワープ 年越しの旅

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暴風雨が続くオランダ・フローニンゲンのアパートで暮らす大学生。ヒーターが壊れたため、年末、アントワープに旅に出た。 アントワープで全く無名の名作『フランダースの犬』で少年ネロが見…
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#ベルギー

2023年冬 ベルギー アントワープ 年越しの旅(5)

ダイヤモンドの歴史を知る DIVA MUSEUM ダイヤモンドをダイヤモンドで研磨する技法はベルギーにて生み出され、その後回転盤を利用する技法など様々な技術がここで発達した。 このアントワープがそうした地として頭角を表した背景には、当時の百年戦争とそれによって起こる交易が深く関わってきた。 当時のダイヤモンドは希少であり、王への献上品として西へ東へ移動する宝石が集積するこの地は職人たちが宝石加工の研究を行える数少ない地であったのだ。 大きなダイヤモンドの加工が行えるように

2023年冬 ベルギー アントワープ 年越しの旅(4)

アントワープ聖母大聖堂でルーベンスをみる 聖母大聖堂、カテドラルと呼ばれるものを、そこそこの数見てきた私は、この建築に対し、比較して考えることができるようになった。 入り口部分は、かなり古い様式で建てられたゴシック、その中でも比較的シンプルな構造であること。奥の方は新しく建て直されていること。 ステンドグラスは建築よりも精緻であることから、最低一回は貼り直されていること。尖塔が建てられたのは後からであること。そして、火事があったであろうこと... 建築から、様々な歴史

2023年冬 ベルギー アントワープ 年越しの旅(3)アントワープのユースホステルへ

荷を下ろして街を散策すると、既に暗くなり始めていた。 曇り空に夕日は見えないが、しかしそれでも夕方の寂寥感は確かにあった。 広場には仮説の屋台が立ち並び、人の動きは活発で、どこからともなくドイツ語やフランス語、オランダ語まで聞こえてくる混沌とした様相を見せる。 まだクリスマスの用意が片付けられてはおらず、それがそのまま正月まで続くであろうことを予感させる。 さて年明けはどこで過ごすべきか。明日はアントワープの聖堂に行こうと決めて、今日はゆっくり眠ることにしよう。

2023年冬 ベルギー アントワープ 年越しの旅(2)アントワープでフレンチフライ

フレンチフライ発祥の地? フレンチフライと言われるフライドポテト。 この料理がフレンチの名を冠するのは、この食文化を持ち帰ったアメリカ人がフランス語話者から伝え聞いたため、フランスの料理だと勘違いしたらしい。 実はその源流はこのベルギーのワロン地方にある。 河川が凍りついた時、じゃがいもを魚の小骨の大きさに切って食べたのが始まりなのだとか。 現代においてフリッツについて調べると、フリッツ料理を開業するための厳格な決まり事についてのサイトがヒットする。 大きさや揚げ方など

2023年冬 ベルギー アントワープ 年越しの旅(1)フローニンゲンからアントワープへ

フローニンゲンからロッテルダムへ オランダの冬は厳しい。これでもかというくらい暴風雨が続く。アパートのヒーターが使えなくなり、修理が年明けだと聞いて、旅に出ることにした。 朝のフローニンゲン駅の雰囲気はいつでも旅の始まりを感じさせてくれる。 空が明るくなった頃、ロッテルダム中央駅に到着。ここから慌ただしく次の電車へ乗り換え...のつもりが5分の遅延。いずれにせよ、実感が湧かないほど、国外に出るのが手軽なことには、いつになっても慣れない。 ベルギー アントワープへ 空