たくさん寝た

日曜日。午前十一時に目を覚ます。昨日の牛丼の残りを温めて、白菜の漬物と一緒に食べる。寒くて何かをする気になれなかったので、まずはエアコンを付けた。それでも気力が湧いてこなかったし、何かをする予定もなかった。だから、布団を敷き直して体を横たえた。携帯を少し触って、誰かとのつながりを求めたけれど、何もなかった。動画のチャンネルを回ってみるが、見たいと思えるものがなかった。とりあえず三十分ほど流してみたが、何も頭に入ってこない。時間を埋める方法を探している自分に気がつく。いっそ何もしなくても良いのでは、ということにようやく気がつく。目を閉じれば眠くなる。これは心地よい眠りだ。なんの義務も責任もない身軽なまどろみだ。未来を考えない安息の素晴らしさを思いながら眠りについた。

ふと目を覚ます。少し空腹を感じたので、再び食事をとる。昼に食べたものとまるで同じ献立。けれど窓の外は夕焼け。時間だけが過ぎている。牛丼はさほどでもないが、白菜の方は市販品なので味がしっかりしている。うまい。ご飯が付きても漬物だけつまんでいる。十日に一度も使わない、そっぽを向いた醤油差し。

たまたま見つけた昔のゲームの音楽を聞いている。具体的な映像は何も思い出せないのに、記憶を刺激されて涙が出そうになる。必ずしも泣かせにくる音楽ではないのに、その頃うまくいかなかったことが呼び覚まされて、胸を焼かれるような気持ちになる。心の断層みたいなもの。成長しないのに、腰が痛かったり、白髪が増えてきたりする。とても悲しい。

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